2017年12月14日木曜日

3_158 海の水の寿命 1:海はいつから

 地球は「水の惑星」とよくいわれます。水、つまり海はいつから存在し、できてから現在までずっと存在していたのか、そしていつまで存在し続けるのでしょうか。「いつまで」に対する、新しい考え方が報告されました。

 宇宙空間に浮かぶ地球は、青く美しい姿をしています。地球というと、多くの人が、そんな姿を思い浮かべることでしょう。地球の「青」を生み出しているのが、「水」の存在です。他の惑星には、同じH2Oが存在しても、その多くは個体の「氷」なっています。液体の水が、存在しているのは地球だけです。火星にもかつては海があったと考えられていますが、今では表面からはなくなっています。
 では、地球では「いつから」海が存在し、「ずっと」存在し続けたのでしょうか。そして、「いつまで」存在しうるのでしょうか。海の存在について考えていきましょう。
 「いつから」という疑問に関しては、このエッセイで紹介したのですが、少なくもと38億年前には、海が存在していたという証拠があります。その時代に、海底でたまった堆積岩が見つかっているからです。いくつかの年代値がありますが、最古の堆積岩が海の直接的な証拠となっています。他にも間接的には40億年前や42億年前などの証拠がありますが、直接的証拠とはいえません。
 38億年前に出現した海は、その後「ずっと」存在していたのでしょうか。それとも消えたり、出現したりを繰り返していたのでしょうか。38億年前から現在まで、連続ではありませんが、いろいろな時代の堆積岩があります。ある時代に堆積岩があるということは、その時代に海があったということになります。さらに、同じ地域で地層が連続していなくても、別の地域には続く時代の堆積岩があれば、海が継続的に存在した根拠となります。
 もしある期間、堆積岩が見つかっていないとしても、その時代に海がなくなったと考えるより、その時代の堆積岩がたまたま見つかっていないか、あるいは後の時代に、侵食でなくなったと考えたほうが合理的です。なぜなら、海がある時期なくなり、また出現するという現象を考えることは非常に難しいものです。考えられる唯一の可能性は、強烈な氷河期にあって海がすべて凍ってしまうことで、堆積岩ができなくなることはありえます。そんな異常な環境変化の時代は、地層に記録されています。実際の全地球凍結という時代が何度かあったことは知られていますが、すべての地球の時間と比べると氷河期の期間は短いものです。氷河期以外では、海が継続的に存在した考えられています。以上のことから、氷河期で一時的に途切れることがあっても、38億年前から現在まで、地球には海が存在していたと考えられます。
 では、海は「いつまで」存在しつづけられるのでしょうか。これは未来の予測なので、なかなか検証は難しいものです。ですが、2017年10月24日付のイギリスの「Scientific Reports」という科学雑誌に、海の水がなくなるかもしれないという予測の報告がでました。詳しくは次回以降としましょう。

・水の色・
水は無色透明の物質です。
しかし、水に光が当たると
水の分子が黄色や赤色の光を吸収します。
それ以外の青の光が散乱して水から放出されます。
それが水の色となります。
散乱が水の量が少ない時は水色になり、
多い時は青となります。
水色は水の色なのです。

・次々と・
12月も、あれよあれよという間に過ぎていきそうです。
忙しくしている時は、特に時間の過ぎるのが早いようです。
この1年も、そして12月もあっという間に過ぎそうです。
本の執筆は、先日終わったのですが、
次の論文が、2つ同時に書き進めなければなりません。
そのための時間が、確保できるかどうかが心配です。
もちろん、書くべき材料はあるのですが、
その間、集中が続くかどうかも問題です。
今年の暮から来年の正月は忙しくなりそうです。