2017年2月16日木曜日

4_132 日豊の旅 1:スケジュールの決め方

 今回の旅シリーズは、私がどのようにして調査日程を組んでいくのか、そして調査にどのようなドラブルがあるのかなど、少々思い出話しめいた内容も組み込みながら、紹介していきたいと思っています。

 1月末、講義と校務の合間をぬって、5日ほど調査に出かけていました。通常では、この時期は寒いので、出かけることはありません。しかし、今年度の研究費申請で、ゴールデンウィークに大分ー熊本の調査、9月に和歌山の調査で申請していました。しかし、ゴールデンウィークの調査は熊本地震のため中止せざるえませんでした、北海道内の他の地域にもいったのですが、予算の執行も目的に遂行もできずにいました。
 そこで当初の目的通り、大分を中心に調査にいくことにしました。大分南部(豊後)から宮崎(日南)北部にかけて、いくつかみたい地層がありました。日程は、定期試験の期間なのですが、私が担当する業務のない日程と、土・日曜日を組み合わせて都合をつけました。それが、今回の日豊地域の調査になりました、それに、あと一箇所、青島での地層の観察を加えたいと思っていました。本来ならもう少し南にも足を伸ばしたかったのですが、日程的に無理となりました。
 私は、調査の日程を移動と目的地を選定して考えて組んでいきます。今回の日程は、5日間でした。北海道からでかけますので、飛行機の乗り継ぎがあります。初日と最終日は移動が中心の日となり、正味の調査日程は、3日間となります。
 今回の3日間の調査では、一日ごとにメインの目的を定めて、そして次の目的地に移動していきました。1箇所目は、津久見地域の層状チャート、次が佐伯地域のメランジュ、最後が青島の宮崎層群を調査することでした。あとは移動の途中に、時間とチャンスがあればいろいろ見ていくことにしていました。
 佐伯以外のところは、以前にもいったことがありました。しかし、津久見では重要な露頭を再度調査することと、前回は日程の都合でいけなかった場所があったので、そこにいくという目的もありました。今回は津久見では、うろうろしながらこまめに見て回ったので、予期せぬ露頭を見つけることができました。
 はじめての佐伯地域で、文献で調べていたところでは、目的の露頭は海岸でアプローチが容易ではなさそうで、たどり着けない可能性があるところでした。しかし、地域内であれば、地質学的には、同じ地層がでているはずです。他のところで似たものが見られるかもしれません。いってみるしかありません。
 青島へは何度かいっており、かなり細かく調査していたのですが、再度、行ってみることにしました。
 このような予定を立ててはいるのですが、実際には、天候が悪いと予定通り進めるかどうかはわかりません。今回は幸いにも天候には恵まれ、予定通りに調査が進みました。また、予期せぬ素晴らしい露頭があったのですが、予定を変更するまでには至りませんでした。いい記録を撮るために、時間帯を変えて訪れることもありました。津久見の網代島は、干潮でないと渡れません。干潮に時間は午後2時でした。朝一番に満潮の状態を見ておき、他のところを調査して、午後に再度じっくり時間をかけて調査して、次の目的近くの宿に移動することにしました。
 このように野外調査をするときは、いろいろを考えていくのですが、最終的には現地いってみないと、どうなるかはわかりません。今回のように日程が短い場合、天候が悪いと、予定がほとんどダメになることもありますが、今回は天候がよくて、救われました。

・宮崎空港から・
今回の調査地への出入りを考えるとき、
大分空港から宮崎空港からかを迷いました。
青島の地層をみる予定がないのなら、
大分空港の方が楽なのですが、
青島を見ることを考えると宮崎空港が効率的です。
初日に高速を使って一気に津久見までいくことにしました。

・研究の季節・
大学は入試のシーズンです。
我が大学のいとつめの入試は終わり、
3月に次の日程が入ります。
また、在学生の成績と進級判定、4年生の卒業判定など
この時期に目白押しの予定となります。
いろいろ不規則な会議がありますので、
なかなか落ち着かないのですが、
時間が一番とれる時期でもあるので、
研究に没頭したいところなのですが・・・・