2017年1月19日木曜日

5_147 ニュー・ホライズンズ 2:成果

 ニュー・ホライズンズの成果によって、冥王星のこれまでの知見を、書き換えかねればならないことが、いろいろでてきました。冥王星は古くから馴染みがあるのに、もっと未知の天体でもありました。その実態がようやく明らかになってきました。

 前回はニュー・ホライズンズのデータがすべて到着したという話をしました。その解析は現在進められているはずです。ここでは、ニュー・ホライズンズが上げた成果で現在わかっていることを見ていきましょう。
 まずは、画像でしょう。初めて目にする鮮明な画像から、冥王星と衛星のカロンの表面が明らかになりました。その姿は、ハッブルの撮影していたぼんやりとした画像からは、想像もつかないほどの複雑さをもっていました。
 冥王星は、活動を終えた天体ではなく、現在も地質学的変化が継続しており、新しくできた地形があることがわかりました。その代表ともいえるのが、1000kmにおよぶハート型の氷河です。氷河の氷は、窒素からできているようです。ハート型氷河は、現在の太陽系で知られている最大のものとなります。また、冥王星には大気があり、もやとして存在し、気圧が変化していることもわかっていました。そして大気はあまり宇宙空間に逃げず、冥王星に留まっていることもわかりました。大気は青色をしています。
 衛星のカロンでもいろいろ発見がありました。カロンにも地質学的な変動があったことがわかってきました。赤道にそって帯状の地形があります。そのような地形は、海が凍ったときにできる可能性があり、かつてはカロンにも海があったのではないかと考えられています。またカロンの北極付近には、暗い領域が見つかっています。「モルドー(Mordor)」と呼ばれていますが、その起源はよくわかっていません。冥王星の大気から由来しているのでは、という考えもあります。
 このような画像の情報に加えて、大量の観測データが現在では届いています。その解析が進行中のはずです。成果がでれば、冥王星やその衛星の起源などがさらにわかってくると思います。
 現在、ニュー・ホライズンズは、また休眠モードにはいっています。そして新たな任務として、エッジワース・カイパーベルト内の天体(2014 MU69)を観測するため向かっています。2014 MU69は、冥王星から4億8000万kmも離れています。到着予定は、2年後の2019年1月1日になっています。
 また、大きな成果が上がることと期待していましょう。

・太陽系外縁天体・
ニュー・ホライズンズの次なる目的地は、
太陽系外縁天体と呼ばれるもので、
エッジワース・カイパーベルトとされるところです。
ここは彗星になって飛んでくる天体などが多数あるところです。
近年多くの天体の発見もなされています。
多数の天体があるのはわかっているのですが、
その実態は、だれも見たことがありません。
もしたどり着き、観測できたら、快挙となることでしょう。
ニュー・ホライズンズが順調に目覚め、
再度の観測できればと思います。
この観測衛星は、2006年に打ち上げられていますので
10年以上、過酷な宇宙空間に滞在しているのです。
観測装置が壊れていなければいいのですが。

・この時期は・
北海道は大学だけでなく
多くの学校の冬休みが明けました。
大学は、いち早くスタートしています。
早くはスタートしたのですが、
1月下旬には講義が終わります。
続けて定期試験シーズンがはじまります。
2月には入試もはじまるので、
なかなかタイトなスケジュールになります。
教職員はこれから慌ただしい日々が続きます。
でも、教員は授業がないので、時間的束縛が減るので
自分の仕事ができる時期でもあります。
やりたいことは色々あるのですが、
どこまでやり、できるかは、自身の努力次第なのですが。