2016年6月23日木曜日

6_137 STAP細胞 1:その後

 最近、STAP細胞について、いくつかのニュースがありました。しかし、日本のメディアでは、なぜか全く話題になりませんでした。少々不思議な気がします。ですから私の専門ではないのですが、あえてSTAP細胞の話題を取り上げたいと思います。

 STAP細胞の事件は、2014年1月、イギリスの一流科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文が発端になります。その合成率や機能などすごい成果で、今後の展開がだれもが期待できるようなものでした。その上、研究中心となった小保方さんは若い女性でキャラクターもメディア受けしたので、一気に話題の人物になりました。
 一方、STAP細胞の研究をフォローしていた研究者間では、論文の画像などに不正や捏造などの疑いがあることがささやかれていました。やがてそれが公になり、メディアも取り上げ、小保方さんはヒロインから一変でしたスキャンダルの中心人物になりました。
 メディアに促されるようにして、理研がSTAP細胞の再現実験したところ、STAP現象は、再現できませんでした。また小保方さんのいくつかの論文において、捏造、剽窃などがあったことなども明らかになりました。その結果、小保方さんは、社会的にひどい制裁を受けることになります。
 2014年末、私は、「6_125 2014年を振り返る:STAP細胞はなんだったのか」というエッセイを書きました。「小保方さんも、なんらかの漠たる証拠をとらえたのではないでしょうか」として、本当は最初の段階でSTAP現象があったのではないかとも書きました。
 2016年1月に小保方晴子さんの著書「あの日」が出版されました。私は読んでいないので、内容についてコメントは差し控えます。この著書については、一部マスコミがとりあげましたが、あまり大きな話題にはなりませんでした。
 一時の過剰なマスコミに反応により、日本ではSTAP細胞に関する研究については、アレルギーやタブー視されているようです。研究成果があったとしても、ほとんど報道されなくなりました。
 そんな中、STAP細胞で最近重要な成果がありました。2016年3月10日に、ドイツのハイデルベルク大学の研究グループが、STAP細胞について論文を発表しました。タイトルは、
Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes
(修正されたSTAP条件がジャーカット T Tリンパ球における多能性とアポトーシスに二極化した運命的決定を促進する)
というものでした。
 ジャーカット T リンパ球とは、ヒトの白血病T細胞のことで、一種のガン細胞です。多能性とは、将来どんな細胞にでもなれる能力のことで、万能性もった細胞、STAP細胞と呼ばれるものです。アポトーシス(apoptosis)とは、より良い状態に保つために積極的に起こる自滅的な細胞の死のことです。
 この研究によると、ある条件(STAP条件と呼んでいる)にすると、細胞は死んでしまうものもあるが、多能性をもつものもできるということです。つまり、STAP現象があったということを報告したのです。
 この報告には、いろいろ考えさせれられることがありました。それは次回としましょう。

・天候不順・
北海道は、天気が悪く肌寒い日々が続いていました。
ここ数日、やっと暖かくなってきました。
この時期に天気がよくなると、
エゾハルゼミがいっせいに鳴き出します。
エゾハルゼミミの大合唱が北海道の初夏の風物です。
今年のエルニーニョの影響が
まだ残っているのでしょうか。
少々不安定な天候が続いています。
夏は暑くなるのでしょうかね。

・教員採用試験・
教員を目指す学生は、
今週末が北海道や札幌の教員採用試験があります。
そのため、4年生は落ち着かない日々を過ごしています。
現役生は、筆記でなんとか合格を勝ち得ることが
最初の一歩になります。
2次試験は努力も必要ですが、
経験も問われるので、
現役生にはなかなか難しくなります。