2015年9月17日木曜日

4_121 竜串 4:見残し

 四国の竜串シリーズも今回で終わりとします。竜串は、きれいな地層と構造がいろいろみられるところです。しかし、すぐ近くにも、あまり人目にふれずに地質学的な見どころもあります。そこを紹介しましょう。

 竜串は、国道321号線から、すぐにアプローチできるところにあります。近くには足摺海底館とよばれる海中に伸びた塔があります。海底館を降りると、海底を見学することができます。もちろん、団体さんが気軽に訪れることができるように、道路も整備されています。
 竜串は足摺宇和海国立公園なのですが、このような海底を見せる施設があるのは、国立公園に海中公園が6ヶ所ふくまれているからです。そして竜串も海中公園に指定されています。
 この周辺では、竜串が一番の観光地になっているのですが、実はもうひとつ重要な地質学的な見どころがあります。「見残し」と呼ばれるところです。
 見残しは、竜串の南東にある千尋岬(ちひろみさき)の奥にあります。道はないので、グラスボートで向かうことになります。「見残し」とは不思議な地名ですが、弘法大師がこの地を見残したということで名付けられたと案内されています。本当のところは、明治時代の日本画家の川田小龍が、竜串だけをみて帰る人が多いので、この地を見残しているようだということで「見残しの景」と名付けたそうです。
 さて見残しですが、竜串と同じ地層がでています。ただし、こちらの地層には、きれいな化石漣痕(れんこん)をみることができます。漣痕(ripple mark)とは、堆積物の表面に水や空気の流れによって、規則的な波模様のことです。砂丘や海岸の砂浜に風によって形成される風紋が、その典型です。海底でも流れがあれば、波模様が海底に形成されます。
 それらの表面の模様は、次の流れがあれば消えてしまいます。しかし、地層が上をうまく覆って形成されると、漣痕がそのまま地層の境界に残ることがあります。それが化石漣痕となります。地層境界に繰り返し化石漣痕が多数みられることもあるので、そのような条件はまれなことではなく、よくおこる作用のようです。
 地層境界に残された化石漣痕が、見残しではいろいろと見られるところなのです。見残しの化石漣痕は、学術的にも重要だとされ、「千尋岬の化石漣痕 」として、1953年に国の天然記念物に指定されています。
 グラスボートで見残しまでいって、そこから歩道の遊歩道を歩きながらみることができます。コースは途中でくずれて、すべてを進むことはできませんが、もっと先まで化石漣痕があるようです。時間があればぜひ行ってみたい気がしますが、それは別の機会としましょう。

・阿蘇噴火・
先日、九州の大分を中心に
近くの宮崎と熊本もまわりました。
阿蘇山も、2日間めぐりました。
そこに先日の噴火したというニュースでした。
もともと火山活動が活発化していたので、
噴火の危険性はありました。
今回の噴火は、帰札直後だったので少々驚きました
もし時期が一致していたら、
予定を変更して、いろいろ見て回ったかもしれません。
まあ、校務があるので、
あまり自由に振る舞えはしないのですが。

・河田小龍・
河田小龍は、
ジョン万次郎がアメリカから帰国した時
取り調べにあたりました。
その間、自宅に住まわせ、
一緒に暮らしながら、
役所に出頭させました。
その間、万次郎に日本語の読み書きを教え、
自分は英語を学びました。
そんなやり取りを通じて
友情も芽生えたようです。