2015年8月13日木曜日

6_129 新たな地平 4:氷プレートテクトニクス

 「ニューホライズンズ」の送ってきた冥王星とその衛星のカロンの画像は、非常に鮮明でした。一見、どこにもである天体の画像にもみえます。しかし、太陽系のもっとも外に位置する天体で、このような地形があったことが不思議なのです。

 「ニューホライズンズ」の送ってきた冥王星の画像で、最初に目についたのは、下半分に大きなハート模様があることと3500m級の山があることでした。ハート模様の一部分を拡大すると、不思議なハスの葉(あるいは亀甲)のような模様がありました。もっと拡大すると、そこには普通はあるものが、ないことがわかってきました。それは、クレーターです。
 太陽系で硬い地表をもっている天体には、たいていクレーターがあります。クレーターがあるのは、現在でも一定の割合で隕石が衝突するという現象が起こっているためです。惑星の表面にも、衛星にも、彗星にも、小天体にも、すべてにクレーターがあります。したがって、クレーターが少ないということには、重要な意味があるのです。
 クレーターの少ない代表的な天体として、地球が挙げられます。地球の表面は、「最近」形成されたものだからです。もちろん「最近」とはいっても、昨日今日のことではありません。45億年という太陽系の歴史の中でみた時間なので、数百万年や数千万年以降、せいぜい1億年前より新しいものが、「最近」となります。地球の表面は、常に更新(侵食、削剥、堆積、断層、火山噴火などの各種の擾乱)されているため、クレーターが消されていきます。古い岩石も、後の時代に何度も擾乱を受けているため、地形は消えていきます。地球で「最近」形成された山とは、プレートテクトニクスによる造山運動による山脈か火山活動による火山になります。
 冥王星は小さい天体なので、岩石を溶かしてマグマを形成するほどの熱を内部に持っていないはずです。それに、H2Oの氷を主成分としていると考えられるので、地球のように岩石のプレートや岩石の溶けたマグマによる火山はないと考えられます。ですから、地球の岩石のかわりに、H2Oが固体(氷)や液体(水)になって大地の運動(テクトニクス)を起こしていると考えられます、H2Oの水による火山活動が起こり、H2Oの氷がプレートとして振舞っているのかもしれません。冥王星では、氷プレートテクトニクスと呼べるものが起こっているのかもしれません。水ー氷の運動が、ハスの葉状の模様の原因かもしれません。
 氷の表面(地殻)をもつ天体での、表層の更新が起こっていることは、他の天体(いくつかの衛星)でも発見されています。しかし、冥王星のように太陽からも遠く、大きな母星による潮汐力も働かない天体で、どのような熱源によって水マグマができるのでしょうか。この地形の謎の解明は、なかなか面白い研究テーマとなることでしょう。

・未来を考える・
冥王星は現在、地球から48億kmも離れています、
電波でも、4時間半かかる距離です。
ですから、重要な作業は、
定められた時間に定められた手順で
動くプログラムにおこなわれます。
さらに、遠くでの探査では、
自身で判断して進めていく必要があります。
未知の領域での探査は
突発的なことにどう対処するかも重要な課題です。
起こるリスクを数年前に予想して
回避するようにして、送り出さなければなりません。
大変ですが、未来を考える作業は面白いものだと思います。

・猛暑日・
先週後半から10日まで、京都にいました。
連日、猛暑日と熱帯夜を過ごしていました。
北海道の住人にっとては、この暑さには参りました。
住んでいる母もぐったりしていました。
もちろん冷房や扇風機は使っているのですが、
一晩中つけて寝ていると、体調をくずすので途中で切ります。
すると暑くて寝れない。
しかたがないので、扇風機にタイマーをつけて寝る。
タイマーが切れると暑いので
再度タイマーをつける
などということをしていると
日々、寝不足になります。
朝起きた時から、クタクタになっていました。
北海道の夜は湿度は高くても
温度が低いので熟睡できました。
北海道の人になりました。