2015年2月5日木曜日

3_134 プレートはなぜ動くのか 2:対流

 プレートがなぜ動くのかは、まだ解明されていませんが、プレートが動いていることは、実測されています。大きな原因は地球内部の熱が外に逃げるというものですが。その考え方として、2つのモデルがあります。一方が優勢だったのですが・・・・

 プレートテクトニクスは、地球内部の熱が外にでることであると、前回紹介しました。そのメカニズムを示すまえに、まず熱の伝わり方を見て行きましょう。
 熱の伝わり方には、対流、伝導、放射の3つあります。いずれも程度の差はありますが、固体、液体、気体のさまざまな状態(相)の物資内で起こる現象です。ただし、物質の相の違いによって、その伝わる程度は大きく違っています。
 対流は温かい、あるいは冷たい物質が移動することで伝わります。物質の流れやすさ(粘性)に熱の伝わる程度は依存します。伝導は、物質内の原子の振動として伝わります。物質ごとの伝導率によって伝わり方が違います。放射は電磁波として伝わるもので、物質がない真空中でも伝わります。物質ごとに熱の伝わる程度が大きく違うので、一番伝わりやすい手段で熱が伝わることになります。
 地球内部は岩石と鉄でできています。岩石の熱の伝導率は低く、放射は全く届きません。地球内部にたまった熱は、なかなか外には出てきません。言い換えると、地球は冷めにくいということになります。そのため、45億年もたっても地球内部に熱がまだ蓄えられているのです。
 マントルは岩石からできている固体です。地球内部の熱は、マントル物質の対流によって伝わっていきます。固体の岩石ですが、温度が上がると、流動性をもつようになります。マントルの岩石は、非常にゆっくりとですが、対流を起こします。そのマントルの対流が、表層のプレートを動かしていると考えられています。
 マントル内の温度の違いは、地震波トモグラフィという手法でとらえられてきました。しかしいまだに、対流自体をみることはできていません。それは、マントルの対流が非常にゆっくりとしたものだがからです。
 地球表層のプレートの動きは、いくつもの方法で観測されてきました。海嶺から離れるにしたがって海洋底の岩石の年代が古くなっていることや、海底の地磁気の模様、天体(クェサーという星)を用いたプレート移動の測定(VLBI)、GPSによる測定など、さまざまな方法でプレートの移動が実証、実測されてきました。プレートの動きは、年間数cmから10cm程度であることがわかってきました。
 地球は球で、プレートは球面上を移動しているので、球面幾何学によって記述がされています。プレート運動は、地球の表面には不動点(原点とできるところ)はないで、プレート運動は2つのプレートの相対運動によって示されます。隣り合うプレートに対して、どの方向に、どれくらの速度で移動しているのかという記述です。
 表層の海洋プレートの運動ですが、プレート下のマントルが対流で移動することによって、表層の海洋プレートが引きずれて動くという考えがありました。マントルの運動により、海洋プレートが引っ張れて受動的に動くというモデルですが、あまり支持されていませんでした。
 一方、海洋プレートが長く海底にあると、冷却されて重くなり、やがてマントル内に沈み込みます。この沈み込みによる引っ張りが、プレート運動の原動力と考えるモデルもあります。表層の海洋プレートが能動的に移動し、下にあるマントルを受動的に引っ張られることになります。さまざまな証拠やシミュレーションなどから、海洋プレートの沈み込みモデルが有力だと考えられてきました。
 いずれも今あるプレートの移動を説明するモデルですが、海洋プレートとその下の関係が、どちらが原動力で、どちらが受動的んに動かされているのかということになります。まあいずれにしても、海洋プレート(マントル対流の表層)が冷えてマントルに戻るのですから、対流運動の一環と捉えることができるのですが。
 従来の考え方に対抗して、有力でない方のモデルを支持するデータが示されてきました。それを次回から紹介します。

・それも対流・
沈み込む海洋プレートがない海域では
なぜ海洋フレートが移動するのか。
それは相対運動として記述することで理解できます。
他地域のプレートが沈み込む混むことによって
その海域に引張の力が働くことになり
海嶺には張力が働き
マントルの上昇流の出口にできます。
いずれにしても、表層で地殻物質が冷え
密度が大きくなることで下向きの対流ができることが
原動力になると考えることができます。
一方、上昇流は地球内部の核の熱によって
暖められ、軽くなり上昇していきます。
お風呂を沸かしたり、煮物をするときの
下部で加熱、表層で冷却という
典型的な対流の形成となります。
ただし、そのスピードは非常にゆっくりとですが。

・校務出張・
このメールが届くころには、校務出張をしています。
函館にしばらく出かけます。
校務ですので、天候が気になるところです。
何事もなければ、時間には余裕があるのですが
何かことがあると、いろいろ大変なことが予想されます。
私は、まだそんな事態にあったことはないですが。
今回もそうであることを祈ります。