2015年1月1日木曜日

5_121 ロゼッタ 1:はやぶさ2

 新年最初の、エッセイは、昨年11月に達成された探査機「ロゼッタ」の偉業からはじめましょう。日本では「はやぶさ2」の話題に押されて、あまり話題になりませんでしたが、重要な成果を挙げたロゼッタを紹介してきましょう。

 昨年暮れの日本では、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げの話題が大きく取り上げられました。「はやぶさ2」は、12月3日13時22分、種子島宇宙センターから、H-IIAロケットの26号機で打ち上げられました。当初、12月1日に予定されていたものが、天候不良で延期になり、より一層の期待感が増しました。
 初代の「はやぶさ」は、数々の故障に見舞われながらも、知恵と工夫の末、2010年6月13日22時に、地球にたどり着きました。オーストラリアの大地へサンプルの送り込み、自身は燃え尽きて、その使命を果たしました。その後、「イトカワ」からの持ち帰った多数のサンプルが、公開され研究に用いられています。
 「はやぶさ」の成功は、ニュースだけでなく、関連の書籍や映画にもされ、多くの日本人に感動と希望を与えました。このエッセイでも何度も取り上げ、紹介してきました。そんな初代「はやぶさ」の思い入れも背景にあったためでしょう、「はやぶさ2」への期待は嫌が上にも大きくなります。話題にもなり、飛び立つ前から書籍も次々と出版されていました。
 「はやぶさ2」は、厳しい予算で継続されてきたのに、民主党政権でのさらに予算の縮小もあり、計画の見直しがされ、なかなかすすみませんでした。しかし、「はやぶさ」の帰還により、民主党政権でも称賛を受け、2011年度で開発予算がつき、JAXAは正式に打ち上げプロジェクトがスタートさせました。そして開発段階に入りました。そのような多難にスタート後の2014年12月の打ち上げだったのです。
 日本では「はやぶさ2」の打ち上げのニュースに押されてしまい、あまり大きな話題にはならなかったのですが、実は欧米では宇宙関連で、大きなニュースがありました。欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた「ロゼッタ」という探査機のニュースでした。
 ロゼッタは、「はやぶさ」に勝るとも劣らない、困難で重要な任務を遂行していました。なんと、10年にもおよぶ飛行の末、彗星にたどりつき、着陸機「フィエラ」を下ろしました。そのプロセスやミッションについては、次回としましょう。

・謹賀新年・
明けまして、おめでとうございます。
今年の発行日は、元旦になりました。
多くのメールが行き交う可能性があり、
到着が遅くなったかもしれませんが、
のんびりとお読みください。
昨年の末は、STAP細胞の話題を取り上げ、
少々暗い終わりでしたが、
新年は、明るい話題からスタートしたいと考え
探査機ロゼッタを取り上げました。

・ロゼッタストーン・
「ロゼッタ」の名前は、
有名なロゼッタストーンに由来しています。
またロゼッタから飛び出した着陸機「フィラエ」は
ロゼッタストーンの解読の鍵となった
フィエラ・オベリスクにちなんだものです。
フィエラ・オベリスクとは、
1815年に上エジプトのフィラエ島で発見された
大きな岩石でできた記念碑のことです。
ヒエログリフと古代ギリシア語の
2つの言葉で書かれていたました。
このヒエログリフがロゼッタストーンの解読の
重要なヒントになりました。
彗星の起源を解き明かすために、
ロゼッタストーン、あるいはフィエラ・オベリスクへの
故事を再現する期待をこめてつけられたのす。