2014年6月5日木曜日

3_128 ダイヤモンド 1:いくつかの産状

 以前、日本でダイヤモンドが発見されたというニュースを、エッセイで紹介したことがあります。そのニュースもなかなか興味深いものでしたが、他にもダイヤモンドが見つかるところがあることがわかってきました。今までにないダイヤモンドの産出状態を紹介しましょう。

 ダイヤモンドは宝石として興味を持つ人も多いのですが、研究者も興味を持っています。それは、非常に高温高圧でないと形成されない鉱物なので、そのでき方を探ることは、自然界でどのようにして高温高圧状態ができるかを知ることになります。
 まずは、ダイヤモンドがどこから見つかるかをみていきましょう。古くから知られているのは、キンバーライトと呼ばれる特殊は火山岩に含まれているものです。鉱山としてして採掘されているダイヤモンドのほほとんどは、キンバーライトに由来するものです。
 キンバーライトは、地球深部、100kmより深いところでできたマグマが、高速で上昇してきて噴出したものです。非常に特殊な火山岩です。キンバーライトの他にもランプロアイトとよばれる特殊な火山岩でも見るつかります。いずれも、アルカリ成分に富むマグマの噴出です。
 2007年に見つかった日本のダイヤモンドも、ランプロアイトの火山岩からでした。ただし、日本列島という特殊な環境で見つかったことは重要な意味があります。それは、1_63や3_70から3_73のエッセイを参照して下さい。
 ダイヤモンドは、炭素からできている鉱物で、炭素が超高温高圧状態にされると形成されます。深部でマントル内で炭素の集まっている条件でダイヤモンドの結晶ができ、さらに低温低圧ではグラファイト(石墨)などの結晶に変わるるので、変わる前に上昇してしまう必要があります。そのような条件を満たすものに、キンバーライトやランプロアイトがありました。
 それ以外にも、いくつかの条件を満たす産出状況があることがわかるようになってきました。
 まず、超高圧変成岩と呼ばれる岩石です。大陸同士の衝突で、深く潜り込んだ方の大陸地殻では、高圧条件が出現します。1990年には、そんな超高圧変成岩の中からダイヤモンドが発見されています。120から150kmより深いところまで潜り込んだと考えられています。その後、地表に露出したことになります。超高圧変成ダイヤモンドは、変成作用でできた鉱物であるガーネットや輝石、白雲母、ジルコンなどの結晶の中や境界部でみつかります。ただし、0.1から0.01mmほどの大きさしかありません。
 もうひとつは、激しい衝突などで、瞬間的に高温高圧条件を生み出されたときにできたものです。自然界では、隕石の衝突で発生する条件が考えられます。1997年には、衝突ダイヤモンドが発見されています。シベリアのポピガイ(Popigai)クレーターが最も大きいものとして知られています。ただし、非常に小さな結晶です。
 衝突ダイヤモンドも超高圧変成ダイヤモンドも、いずれも稀で非常に小さいものしか見つかっていません。
 1993年には、別のタイプのダイヤモンドが見つかっています。そのタイプのダイヤモンドは、量も多く、大きさもかなりのもののようです。それは、次回としましょう。

・エゾハルゼミ・
5月末から急に暖かくなってきました。
30度を越える真夏日にもなりました。
今まで、肌寒い日が続いていたので、
やっと夏になった気がします。
暑くなるをまっていたように
エゾハルゼミが盛んに鳴いています。
そして6月4日からYOSAKOIも始まりました。
北海道の初夏の風物詩がそろってきました。

・教育実習・
初夏を迎えたのですが、
私の忙しさは一段と増してきました。
今年は教育実習生が例年の倍ほどいるので、
担当の教員は出かけることが多くなりました。
6月がピークで、7月まで続き、
9月にも再度ピークがきます。
休講ができないので
その調整がなかなか大変です。
補講をすることでなんとかやりくりしています。