2014年2月20日木曜日

3_126 氷期サイクル 2:ミランコビッチ

 氷河期の周期性の原因として、3つの要因があり、ミランコビッチ・サイクル、大陸配置や大気組成が挙げられています。まずは、主要因と考えられているミランコビッチ・サイクルを紹介しましょう。

 氷河期は周期的に訪れていることを、前回、紹介ました。その一番の原因として、ミランコビッチ・サイクルが挙げられています。
 ミランコビッチは、セルビアの地球物理学者で、地球に降り注ぐ太陽の光、日射量は、天体の公転軌道の周期的な変化を反映していると考え、その影響を計算しました。ミランコビッチの計算の結果、日射量には、いくつかの周期性が起こりうることがわかってきました。彼の名前をとって、天体運動による気候の周期的変動を、ミランコビッチ・サイクルと呼んでいます。
 天体の運動の周期性は、3つの要因が知られています。自転軸の円運動である歳差運動には、1万9000年、2万2000年、2万4000年の周期があります。地球の自転軸の傾きは変化して、現在は23.4度ですが、22.1度から24.5度の間を変化しています。その周期は4万1000年となっています。地球の公転軌道は楕円なので、太陽からの距離が変化(離心率)しているのですが、その周期は、9万5000年、12万5000年、40万年が知られています。
 これら3つの要因の周期を計算するのは、非常に大変です。ミランコビッチは、コンピュータや計算機のないころの研究者なので、複雑な方程式を、手計算で解いていきました。1920年から1930年ころにかけて、成果を報告しましたが、その周期性が氷河期に対応することを示しました。
 一方、いろいろな地質学的証拠から、氷河期の周期性が明らかになってきました。その結果、ミランコビッチ・サイクルと氷河期の周期性が一致していることがわかってきました。今では、氷河期の周期性の主たる原因は、ミランコビッチ・サイクルだと考えられるようになりました。
 ミランコビッチ・サイクルの他の要因として、大陸配置や大気組成も関係すると考えられています。
 大陸配置は、20億年前ころや7億年前ころにおこった、スノーボール・アースとよばれる、全球凍結するような激しい寒冷化には、重要な要因になっていたと考えられます。
 大気組成で重要なのは、現在問題視されている二酸化炭素ですが、全球凍結のときは重要な役割を果たしていました。全球凍結から回は、大気に大量に蓄積された二酸化炭素が、激しい温暖化を起こしたためであることがわかってきました。
 大陸配置も大気組成も、第四紀の氷河期に、どのような役割を果たしているのかは、実はよくわかっていませんでした。東京大学大気海洋研究所の阿部彩子さんたちのグループが、シミュレーションによる答えを出しました。次回、紹介しましょう。

・2月の大学・
私立大学の前期の入試は2月上旬に終わったのですが、
現在、内部での作業が続いています。
前期入試が終わると、
3月には後期の入試が始まります。
その間、いろいろな校務が発生して、
毎日のように打ち合わせや会議があります。
その合間には、卒業や進級にかかわる判定もあります。
大学は講義がなくても、
夏休みと違って2月、3月はそれなりに忙しくなります。
しかし、講義がない時期は、
講義準備や学生対応も減り、研究する時間がとれます。
こんなときが、忙しくはありますが、
稼ぎどきとなります。
日々研究することにワクワク感がでてきます。

・吹雪・
先週末に本州で大雪を降らした低気圧が発達して
今週はじめから、北海道を襲っていました。
数日、激しい風が吹きました。
地吹雪となって、雪に突っ込む車がありました。
私は歩いて通勤しているので、
吹雪で車から私が見えないと非常に危険ですが、
多くは、車の通らないコースを歩いていのですが、
大学構内を歩いているとき、
時々暴走車がいるので困ります。
注意して歩くしかありませんね。