2013年9月12日木曜日

2_116 火星生命 1:身近な惑星

 火星には、生命の可能性が秘められています。今のところは、残念ながら生命の痕跡で確実なものは見つかっていません。しかし、可能性を感じさせるものが、次々と発見されています。そんな可能性を感じささせる最新の発見を紹介します。

 火星が地球の隣の惑星で、身近に感じるからでしょうか。金星が厚い雲に覆われた過酷な灼熱の惑星あるのに対して、火星には海や水の痕跡があり、現在も地下や極地には水や氷があることがわかっています。人類にとって火星は、生命の誕生の場、地球外生物の可能性、あるいは地球の生命の故郷として、非常に興味を惹かれる天体です。
 「火星隕石から化石の発見」というニュースが、1996年の夏に流れました。その化石に関して、いろいろ検討された結果、どうも化石ではなさそうだという結論になているようです。ただし、発見者たちは化石であるとして、その後も証拠を提示していますが、他の研究者にはあまり受け入れられていなようです。
 化石は、隕石を用いた研究ですが、火星の生命探しは長らくなされています。現在でも、アメリが合衆国が中心になって、火星の探査は継続されています。主な火星の生命探査の話を紹介していきましょう。火星探査の歴史が近年の探査の概要ともなります。
 「化石発見」の直後、1996年11月7日に打ち上げられたマーズ・グローバル・サーベイヤーは、1997年に火星に到着し、火星を周回して、詳細な地形データをとりました。この地形データが、火星を探査するための基礎情報となり、厳密な調査計画をたてることができるようになりました。
 1997年にはマーズ・パスファインダーが、火星にバルーンを用いた軟着陸をし、ソジャーナと呼ばれる探査ロボットが、2ヶ月間動きまわって調査をしました。手軽に着陸する試みで、今回はかろうじてうまくいきましたが、少々乱暴だったので、その後は利用されていません。
 2004年1月には、火星探査車スピリットとオポチュニティが着陸に成功しました。火星での水の痕跡を探索することが目的で、達成しました。スピリットは2011年4月で活動を停止しました。一方、オポチュニティは予想以上の耐久性を示して、2013年6月末には走行距離が37kmを越え、現在も観測を継続中です。火星でも長期の観測が、太陽パネルによる発電で可能なことを証明しました。
 2008年5月にフェニックスが火星の北極地域に着陸しましたが、寒さのためバッテリーが故障して活動を停止しました。
 2012年8月6日には大型のキュリオシティが着陸しました。キュリオシティには、多くの種類の観測装置を積んでいて、小型ですが最新実験室ともいえる重装備です。いろいろな調査や分析ができ、現在も調査中です。
 現在、困難は伴うでしょうが、火星への友人探査も真剣に検討されるようになってきました。
 先日(2013年9月2日)の科学雑誌(Nature Geoscience)に、重要な論文が掲載されました。それは、火星は生命誕生には、非常に都合がいい環境であったという報告でした。詳細は次回にしましょう。

・耐久性・
オポチュニティは現在も観測をしており、
毎週その成果が報告されています。
http://marsrovers.jpl.nasa.gov/mission/status.html#opportunity
2013年8月28日から9月03日の報告では、
レーターの縁にある崖(岩石露頭)を調べています。
「石炭島」と名付けられたところで、
ロボットアームやマルチスペクトル・パノラマ・カメラなどを使って
調査を始めているそうです。
もともと想定されていた92日間の運用を遥かに越えて
今日(9月12日)で3518日になります。
40倍以上も上回って稼働しています。
調査を続けています。
太陽パネルの性能が上がってきているのでしょう。

・秋を味わう・
北海道は9月になり、一気に秋めていきました。
天気のいい日は、
心地よい抜けるような青空になります。
日差しはまだ強いですが、湿度も下がり、
北海道らしい天気になりました。
しかし、秋は冬の前触れでもあります。
暑かった夏がそのうち懐かしく思えるのでしょうが、
秋の快適さを、今は味わっていきましょう。