2011年5月5日木曜日

3_94 核融合:暗い太陽1

 太陽の輝きは、私たちに大いなる恵を与えてくれます。無尽蔵のエネルギー源として、そのありがたさを私たちは享受しています。太陽の恩恵を当たり前に思い、利用しています。その仕組みには、まだわからないこともあります。そんな太陽のエネルギーの仕組みをみていきましょう。

 太陽は、核融合で輝いています。太陽内で起こっている核融合は、水素(H)原子からヘリウム(He)原子に変わることです。水素原子4つが融合して、ヘリウム原子1個ができます。水素原子4個分の合計の重さ(正確には質量)より、ヘリウム1個のほうが小さくなっています。この質量の差が、核融合によって発生するエネルギーのもとになります。
 その量は、
  E=mc^2(2乗という表現)
という有名な式で表されます。この式は、エッセイでも何度も取り上げています(実は前回も)が、アインシュタインが導いたもので、Eはエネルギー、mは質量、cは光速(定数)です。つまり、質量がエネルギーに変換されるときは、cの2乗倍になることを意味しています。核融合では、膨大なエネルギーが生産されることになります。
 核融合は、太陽の中心部の水素とヘリウムの比率によって、その進み具合が変化します。核融合が進行していくと、太陽の中心部では、水素原子が減っていき、ヘリウム原子が増えてきていきます。すると、圧力が上がっていき、核融合が促進され、よりエネルギーの放出がされることになります。
 核融合の効率の変化は、恒星の内部に関する理論から導かれていることです。この理論の意味するところは、太陽は時間経過と共に輝きを増すということです。言い換えると、太陽は今より昔のほうが暗かったことになります。
 太陽の輝きの変化は、周辺の惑星に大きな影響を与えます。太陽からのエネルギーの変化は、周囲の惑星の表面温度を大きく左右します。私たちは、曇の日は寒く、晴れの日は温かいことを経験していますから、この原理は体感できるはずです。
 地球に降り注ぐ太陽光は、昔は今より少なかったのです。その量は時間と共に変化しますが、現在と比べて地球の初期の頃は、25~30%少なかったと見積もられています。それほど太陽光が少ないと、地球表層の平均気温は、0℃を下回ると見積もられます。
 ところが、地球の表層には常に液体の水(海)が存在していたことが、地質学的証拠があります。河川で運ばれ海底で堆積する地層が、どの時代からも見つかっています。つまり、地表の平均気温は常に0℃より高かったことになります。
 この太陽の理論と地質学的事実の矛盾を、「暗い太陽のパラドックス」(faint young Sun paradox)と呼ばれています。このパラドックスの解釈に新しい考えが昨年提示されました。それは、次回としましょう。

・どこか変・
我が家は、このゴールデンウィークに
地デジ化を進めています。
子供たちがよくみるブラウン管テレビを
先日、液晶テレビに変え、地デジ化しました。
古いテレビはまだ映るのですが廃棄しました。
古いアナログ波用ビデオが2台あります。
カセット付きのビデオ(DVDも内蔵)は再生専用として必要です。
ハードディスク(DVDも内蔵)のビデオをどうするか迷っています。
本当はテレビもビデオもまだ使えるのですが、
新しいものと入れ替えることになりました。
もったいないですね。
この消費が美徳、消費誘導の仕組、どこか変ですね。

・無理せずに・
北海道は5月2日から3日にかけて寒冷前線が過ぎ、
雨風とともに、気温が低下しました。
ミゾレがふったところもあります。
急な寒さに体調を崩しそうです。
次男は、寒さのなか外で遊びすぎて、熱を出しました。
長い連休ですが、
無理をしないようにしないといけませんね。