2011年3月24日木曜日

4_102 黒瀬川ジオパーク1:西予3月

 ジオパークは、日本ではいくつかの地域が目指しています。ジオパークとはどのようなものでしょうか。西予市とジオパークの関係を2回に渡って紹介していきます。

 「ジオパーク」とは、「地球の活動の遺産を見所とする自然の公園」とされています。ジオパークは、今では、メディアでも紹介されるようになり、多くの人が耳にしたことがあると思います。今回はジオパークを紹介していきます。
 ジオパークは、ユネスコの支援によって2004年に世界ジオパークネットワークが設立され、世界各国で取り組まれている活動です。ジオパークには、いくつかの条件をみたさなければなりませんが、いくつもの地質遺産(地史や地質現象がよくわかるサイト)のある地域の行政、民間、研究機関の三者が、連携して活動をこなっていくものです。地質遺産が存在することは前提ですが、地域の活動が重要になります。遺産と活動の両者を満たしているところが、ジオパークにいたる重要な要件になります。
 世界遺産は遺産の保護を重視するのに対して、ジオパークは保護だけでなく活用も重視されています。活用とは、地質遺産を教育や科学普及に利用することで地域振興のための開発も認めています。ですから、世界遺産とジオパークとは、似ていますが、違う点もあることに注意が必要です。
 地域の地質遺産を人や組織が連携して活用していくとが、ジオパークに向けてのスタートです。活動の実績が評価され、審査を受けて、認定に至ります。ステップとしては、最初は日本ジオパークに向けての活動、そして認定後は、世界へ向け国際的な取り組みによって世界ジオパークへの認定が行われます。
 ちなみに、日本では、14地域の日本ジオパーク(アポイ岳、南アルプス中央構造線エリア、恐竜渓谷ふくい勝山、隠岐、室戸、阿蘇、天草御所浦、霧島、伊豆大島、白滝、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸)があり、そのうち4地域(洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸)が世界ジオパークに認定されています。
 世界ジオパークとしては、22の国において、77地域となっています。国別に見ると、中国が24地域、イタリア7、イギリス7、ドイツ5、スペイン5、日本4、ギリシア4、フランス2、ノルウェイ2、ポルトガル2が、複数の世界ジオパークをもち、あとはオーストラリア、マレーシア、ベトナム、オーストリア、ブラジル、カナダ、ハンガリー・スロバキア、アイルランド、北アイルランド、イラン、クロアチア、ルーマニア、チェコ、フィンランド、韓国がそれぞれ1地域ずつあります。
 発足してすぐの制度なので、まだ数は少ないですが、これから多くの地域がジオパークを目指していくことになります。日本でもジオパークを目指して、各地で取り組みをはじめています。四国でも、6町村が合同で「仁淀川・四国カルストジオパーク」を目指して取り組みをはじめています。
 そして、この度、私が滞在している、西予市も、黒瀬川構造帯を地質遺産としてジオパークを目指すことになりました。その詳細は、次回、紹介します。

・ジオパーク運動・
ジオパークの意義はいろいろあると思います。
ジオパークを目指すために人や組織が一体となって
地域の地質や自然を大切に思う気持ちを
創り上げていくことが
一番重要な意義ではないでしょうか。
そのような活動が成功すれば、たとえジオパークに認定されなくても
その地域に地質遺産は残ると思います。
それもジオパーク運動の重要な側面ではないかと思います。

・引越し・
明日、荷物を発送します。
その荷物は、いつ着くかは未定です。
地震のせいですので、
荷物が発送できるだけでも
よかったと思うべきでしょう。