2010年11月11日木曜日

3_92 大陸の急成長:丹沢山地 3

 丹沢山地の岩石が、大陸成長の歴史を明らかにできることがわかってきました。大陸と比べる小さい山ですが重要だったのです。また、年代測定に用いた鉱物の化学成分が、大陸形成のメカニズムを解き明かしました。山と比べると小さい結晶が重要な役割を持っています。

 丹沢山地をつくる岩石の年代測定で明らかになったことは、花崗岩類(大陸地殻の構成物)が、沈み込みによる作用だけでなく、衝突によって形成されることでした。
 近年、島弧では大陸構成物の花崗岩類が形成されることがかってきたのですが、島弧が大陸になるためには、衝突合体を繰り返し起こさなければなりません。その実態は、まだよくわかっていませんでした。
 しかし、今回の研究で、大陸地殻は、島弧の沈み込みの作用で形成されるだけでなく、島弧が衝突することによって花崗岩マグマが新しくでき、大陸地殻が形成され、成長していくことがわかってきました。大陸形成には、プレートの沈み込みだけでなく、衝突も重要な働きがあることが明らかになりました。
 現在、形成中の島弧である伊豆-小笠原島弧、そして島弧の衝突の場である丹沢が、重要なフィールドになります。日本の地質学者には地の利があることになります。
 地質学的条件を考えていくと、マグマが形成後、最速で100万年の間に約660℃という冷却をしたことがわかってきました。このような急速な冷却速度は、通常の深成岩では起こりません。ですから、丹沢では、マグマ形成後、急速に固まりながら上昇していったと推定されます。
 これは丹沢だけの事例ではなく、一般化すると、衝突の場ということにあります。そこでは、花崗岩マグマ形成後すぐに固化する、つまり大陸地殻は一気に(200から300万年で)形成されることを意味します。さらに、衝突した島弧の岩石も加わりますので、大陸は、間欠的に急成長することになります。
 また年代測定に用いたジルコンの微量の化学成分から、形成されたマグマには、伊豆・小笠原島弧の地殻物質のほかに、衝突された側(本州島弧)の成分も加わっていることもわかってきました。この成分とは、トリウム(Th)とニオブ(Nb)です。ニオブに比べてトリウムの方が大陸地殻に集まりやすい化学的性質を持ちます。古い大陸やその堆積物では高い値を持ちます。同じ鉱物でTh/Nb比の比較をすると、違いは明瞭になります。
 伊豆・小笠原の海にできたばかりの島弧(未成熟島弧といいます)と本州島弧(成熟した島弧)のジルコンのTh/Nb比を見ると、違いがあります。Th/Nb比をみていくと、丹沢のものは、明らかに高くなっています。これは、沈み込み帯に溜まった、成熟した本州島弧から由来する堆積物の影響があることと推定されています。
 首都圏に近い丹沢でもまだまだ新発見があるのです。さらに、関東平野全体に広がる新しい発見が、この夏ありました。次回に紹介する予定ですが、丹沢で大噴火があったというものです。

・秋の深まり・
四国の山里も寒くなってきました。
山の方では紅葉が盛りのようですが、
里でも紅葉がはじまっています。
いよいよ秋が深まってきました。
でも、今年の秋は、短いような気がします。
それに、寒暖の差が日ごとにありすぎ、
体調を崩しそうです。
皆さんも体に気をつけてください。

・目に見えない満足感・
私は、食に関してはあまり気にしないたちです。
栄養と量さえ満たされれば、いいと考えます。
それに見合った価格であればいうことがありません。
基本的に昼食は外食ですので、
店のランチタイムのメニューになります。
店の雰囲気が満足感に変化を与えます。
そんな私が満足できるところが、
地元でもいくつか見つかってきました。
そんな店が見つかるとうれしいいものです。
満足感には、雰囲気や人という
目に見えない、心でしか感じられないものが
大いに関係していることが分かります。