2010年6月10日木曜日

5_86 かぐや:日本の宇宙探査1

 あまり話題にはされていませんが、最近、日本の宇宙探査において、さまざまな成果が挙げられています。JAXA(宇宙航空研究開発機構)発のニュースが相次いで、いくつも流されました。しかし、その扱いはあまり大きくありません。このエッセイで最近のニュースをいくつか紹介していこうと思います。


 日本の宇宙探査で私の記憶に残っているのは、最初の宇宙飛行士の秋山さん、2度宇宙に行った毛利さんなどです。日本の月探査「かぐや」は記憶に新しいところです。最近でも、野口宇宙飛行士の宇宙空間での長期滞在、「あかつき」の打ち上げ、「はやぶさ」の帰還など、つぎつぎと重要な成果が報じられているのですが、その扱いはあまり大きくありません。他のニュースの影に隠れていて、非常に残念です。その成果をいくつか紹介していきます。まずは、少し前の成果ですが、「かぐや」からです。
 「かぐや」は、以前このエッセイでも紹介したのですが、2007年9月14日に打ち上げられた月の起源や進化を探るための探査機です。科学探査用機器や高精細の映像を写すハイビジョンカメラも搭載されていました。また、2つの子衛星(「おきな」と「おうな」)と連携した探査もなされました。
 「かぐや」に関するハイビジョン映像を、NHKもニュースや特集番組で何度も流したり、鮮明なカラー画像がいくつも紙面を飾りました。私も、その詳細な月面の地形をみて感動をしました。また、打ち上げ前には、市民からメッセージを集め、それを「かぐや」にとりつけ、月に運ぼうという「月に願いを」キャンペーンをおこなわれました。予想を超える41万人からメッセージが届きました。そのようなNHKやキャンペーンなどのせいもあって、多くの人が「かぐや」には関心を持っていました。
 2009年6月11日、「かぐや」は、月面に落下して、約1年半に渡る役目を終えました。しかし、「かぐや」の得たデータは、これからも解析が続けられます。JAXAでは、ホームページが現在も更新され、SELENE通信ではいろいろ情報が公開されています。
 JAXA ChannelがYouTubeで開設され、「かぐや」が撮影したハイビジョン映像などが、次々と公開されています。2009年10月20日には、30分ほどのハイビジョン番組「遥かなる月へ2009~月周回衛星「かぐや」の軌跡~」が公開されました。「かぐや」の概要を知るためにはいい番組です。
 科学探査の研究成果でも、2009年2月1日発行のアメリカの科学誌「サイエンス」で、「かぐや」に関する特別編集号が組まれました。研究者間にも「かぐや」の活躍が華々しく伝わりました。
 1961年から1972年にかけて実施された6回の有人月探査であるアポロ計画によって得られた試料はデータは、長い年月をかけて研究され、多大な成果があげられました。その後月の探査はあまりなく、今回の「かぐや」の探査データは、持ち望まれたものです。アポロの結果を塗り替えるほどの成果を挙げるはずです。少なくとも、月面の解像度は格段に上がり、月面地図は完全に更新されました。
 市民参加のためのキャンペーンやNHKのハイビジョンの搭載などによって、多くの人の関心を集めました。研究や成果普及なども、「かぐや」ではすべてがうまくいきました。その陰に隠れながら、あまり光が当たらないところで、重要な成果も上がっています。次回から、そのいくつかを紹介します。

・JAXA Channel・
JAXA Channelは、
http://www.youtube.com/jaxachannel
「かぐや」だけでなく、
日本の宇宙探査に関する映像がいろいろみることができます。
YouTubeの利用が少々気になるところですが、
URLが".com"になっていますから、
アメリカ合衆国のドメインになります。
管理がどのようになっているがわかりませんが、
何かことがあったとき、
データは大丈夫かどうか心配です。
JAXAのような大規模な組織なら、
独自の動画サイトを運営してもいいのではないかと思います。
以前はあったようですが、
現在では、動画はすべてYouTubeに移動しているようです。

・場所選び・
先日、香川から徳島の海岸線、
そして中央構造線沿いを調査してきました。
祖谷(いや)の方に入ったときは
雨に降られましたが、
それ以外は天気もよく日焼けしました。
今回が、四国に来て2度目の調査となりました。
毎月のように調査をする予定です。
梅雨を警戒して、6月は早めに調査を実施しました。
7月にも出かける予定ですが、
梅雨明けと暑さを見ながら、
行く場所を選んでいこうと考えています。