2010年5月5日水曜日

2_83 羽毛恐竜:恐竜から鳥へ2

 始祖鳥をめぐっては、議論が二転三転しています。鳥類の祖先であるなしをめぐって長年議論されています。それは、化石の保存の良さによるものです。ゾルンホーフェン以外からも保存のよい化石が見つかるようになり、鳥の起源については、いろいろ情報が加わるようになりました。


 始祖鳥の化石は、1855年に発見され、1861年に記載され科学者たちが知るところになりました。19世紀中ごろといえば、科学の歴史に少しでも詳しい人なら、ダーウィンの「種の起源」の出版された時期と思うでしょう。「種の起源」の初版がでたのは、1859年11月24日でした。
 ダーウィンは始祖鳥化石の発見のニュースは聞いていたかもしれませんが、出版の時期にあたります。科学的な記載がなされていなかったのか、それともこのニュースをしらなかったのかわかりませんが、ダーウィンは初版の中では、始祖鳥についてはふれていません。しかし後の版では、爬虫類と鳥類を繋ぐ発見として評価したしたそうです(手元には初版の日本語訳しかないので確認してません)。
 では、始祖鳥が、恐竜と鳥類のミッシング・リンクとなるのでしょうか。それが、なかなか一筋縄ではいかないところなのです。
 まず、始祖鳥は、鳥類より恐竜の獣脚類(恐竜の2大グループ竜盤目のひとつ)に似ている特長がいくつもりました。ただ、決定的な違いもありました。それは、恐竜にはない羽と叉骨(胸骨を固定しているしている骨)の存在でした。ところが、当時の恐竜の化石がまだたくさんの種類が発見されていなかったため、恐竜の多様性が充分おさえられておらず、始祖鳥と恐竜の違いが強調され、現在の鳥類の祖先ではないとされたこともあります。
 恐竜の多様性が分かるにつれて、恐竜にも上で述べたような鳥類がもつような特徴のある化石が見つかってきました。
 アメリカ合衆国のテキサス州で始祖鳥より7500万年も古い(三畳紀の2億2500万年前ころ)「プロトエイビス」という化石が、1986年に発見されました。この化石は、骨が中空であること、竜骨突起というものがついた胸骨をもつことなど、現在の鳥に似ていました。しかし、現在の鳥類の祖先ではなさそうです。
 また、1996年、中国遼寧省からシノサウロプテリックスという羽毛も持った恐竜が見つかりました。羽毛恐竜の発見です。ただし、この化石は白亜紀前期(1億2000万年前ころ)のもので、始祖鳥よりずっと新しい時代でした。実はこれはかなり深刻な問題で、祖先ともいうべきタイプが、時代が新しいのです。これは、非常の矛盾したことになります。
 しかし、2009年に、中国東北部にあるジュラ紀後期(1億6100万年~1億5100万年前)の地層から、トロオドンという肉食恐竜の仲間で、羽毛を持った恐竜が見つかりました。これで、やっと始祖鳥より古い時代に、恐竜の仲間に羽毛をもったものがいたことになりました。
 恐竜の多様性は大きく、その中には現在の鳥の特徴をもった種類が何度か出現していたようです。その多様性が起こりだしたのは、ジュラ紀中期ころからではなかいかと考えられています。
 では、始祖鳥と現在の鳥との関係は、またそもそも鳥類といったいどのような特徴をもったものをいい、いつのどの系統から生まれたのでしょうか。それは次としましょう。

・種の起源・
ダーウィンの「種の起源」は正式には、
"On the Origin of Species by Means of Natural Selection,
or the Preservation of Favoured Races in the Struggle for Life"
という長いタイトルの本です。
現在では
「自然選択、もしくは生存競争における適者生存による種の起源」
とでも訳すのでしょうか。
当時の本は、通常このように長いタイトルが付けられています。
また、本の中の章立ても長いもので
文章となっていることもあります。
私は、渡辺政隆訳の光文社古典新訳文庫『種の起源』(上下)
を手元においています。
実は、始祖鳥の記載が種の起源にないが
さんざん探したのですが、
初版なのでないことが、あとで判明しました。

・運動・
長いゴールデンウィーク、
皆さんはどのように過ごされたでしょうか。
私は、地域の祭に2日、
1日は近所の子供と化石採りに出かけました。
あとは、おとなしく仕事をしていました。
運動もしっかりやっています。
執務室まで、片道1.5kmほどあるのですが、
歩いて通っています。
また、夕方は、温泉プールがあるのですが、
そこの年会員になっています。
毎日夕方ひと泳ぎして、
シャワーもしくは温泉にはいって
帰るようようにしています。
来週から天候を見ながら調査をはじめようかと思っています。
論文を書くことも重要な仕事なので、
抜かりなく進めていきたいと思っています。