2009年7月30日木曜日

5_78 分布:テクトニクス2

 前回は、プレートの紹介をしました。プレートとは、地殻とマントル上部の硬い岩石が板として振舞うものです。プレートは、現在の地球上で何枚あり、どのような動きをしているでしょうか。また、どのような分布をしているのでしょうか。

 プレートとは、100km程度の厚さの地殻とマントル上部が、岩石の板として動くというものでした。プレートは、硬い岩石が、板のように塊として振舞います。では、その板は、地球の表面を何枚で覆い、どのような運動をしているのでしょか。
 現在の地表は、代表的なものとして14枚のプレートがあります。ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、太平洋、ココス、ナスカ、カリブ、アフリカ、南極、アラビア、インド・オーストラリア、フィリピン海、スコシア、ファンデフカの14枚です。大きさは、さまざまです。一枚に見えるプレートにも境界があったり、複雑な地域では、多数のプレートに細分が可能であったりします。解釈によって、プレートの数は、変わってきます。
 そもそもプレートの区分や運動は、海洋底の調査から分かってきたものです。
 海洋地殻の最上部は、玄武岩からできています。玄武岩は、海嶺で噴出したマグマが固まったものです。マグマが固まるとき、磁性のある鉱物(磁鉄鉱など)も結晶化します。そのとき磁性のある鉱物は、地球の磁場の向きに並んで岩石の中に取り込まれます。岩石全体としては、マグマが固まったときの地球磁場をそのまま記録していることになります。
 地球の磁場は、過去に何度もN極とS極が入れ替わっていることがわかっています。その記録が、海洋底の岩石には残されていました。これは、海洋底拡大の証拠となりまた。また、プレートの運動の歴史が記録されていることにもなるわけです。磁気の反転が繰り返される縞模様は、海嶺で新しく形成された海洋地殻(プレート)の拡大していく様子が、磁気テープのように残されているのです。その縞模様から、プレートの移動速度と方向の記録が、読み取ることができます。
 この方法は、海嶺があることろの記録が主になります。また、これでは、現在行われている運動ではなく、過去の運動を読む取ることになります。岩石の磁気の記録から、プレートの速度や方向を読み取ったのですが、現在ではプレートごとの運動を、実測できるようになってきました。
 プレートの運動は、GPSやVLBI(で超長基線電波干渉法)はなどと呼ばれる手法で、移動速度と方向が実測されています。これらの手法は、過去の運動は分かりませんが、現在起こっているプレートの運動が、正確に決定されてきます。
 調査が進むと少々困ったことになってきました。大きなプレートでは、同じプレート内で、何箇所かの測定がなされています。すると、一つのプレート内で移動速度や運動の向きが、違っていることがわかってきました。これでは、硬い板としてのプレートの振る舞いに矛盾をきたします。
 そのような矛盾を解消するために、大きなプレートは細分されています。現在のところ、40枚ほどのプレートに細分することで、説明されています。しかし、必ずしもそれぞれのプレートが独自の運動をしているわけでもなく、はっきりと分離できないものも含まれています。つまり、ある隣り合ったプレートとは違った運動をしているのですが、別の隣接するプレートとは似た動きをしていることがあります。
 このような理由のため、研究者によって、プレートの数は、いろいろな値になってしまいます。まあ、背景を知っていれば、数の違いも気にならないのですが。
 では、プレートは、なぜ動くのでしょうか。それは次回以降としましょう。

・エゾ梅雨・
梅雨明けになったようですが、
本州の方は、カラッとした夏の天気になったでしょうか。
北海道は晴天率が低く、低温が続いています。
晴れても、湿度が高いため、蒸し暑い日となります。
まるで梅雨のような天候が続いています。
これをエゾ梅雨というのでしょうか。
少々時期が違うので、エゾ梅雨ではないような気がします。

・予告違い・
あまり気づかれた方はおられないと思いますが、
前回、「では、なぜプレートは動くのでしょうか。
それは次回としましょう。」
という文章で終わりました。
実は今回も同じような内容の文面で終わりました。
今回、プレートが動く理由を説明するつもりでしたが、
書いているうちに、違うものになってきたのです。
申し訳ありませんでした。
そして、今回も同じ予告をすることになりました。
次回こそ、理由を説明するつもりで、一部書きはじめました。
すると、またまた、プレートの構造と
動く理由の両方が入った内容となりました。
でも理由を説明するためには、
プレートの構造も必要となります。
ですから、2回にわたって、理由説明をすることになります。
しかし、書き続けると、また違った内容になるかもしれません。
そんなことなら、次回予告などしなければいいのですが、
ついつり筆の勢いで、書いてしまいます。
ですから今回は「次回以降」という表現にしました。
寛容な目で見過ごしてください。