2008年3月6日木曜日

3_66 多様な岩石:日本列島の石1

 日本列島は、多様が岩石からできています。当たり前のようにみえますが、よくよく考えると、それは非常に不思議なことです。日本列島の多様性の不思議をみていきましょう。


 日本列島は、非常に多様な岩石が見つかります。先カンブリア紀の岩石こそ少ないですが、種類として、非常に多種多様な岩石があります。
 地球の地下や地表の環境は多様で、環境は時間と共に変化してきます。ですから、場所や時代が違えば、形成される岩石は違ったものとなっていきます。ですから、岩石が多様であるのは、当たり前のような気がします。多様でも、分類できるということは、岩石には、それなりの共通点や、系統的な差異があることになります。
 一番大きな岩石の分類は、成因による区分です。それは、堆積岩と火成岩、変成岩の3つに分類されています。堆積岩は、土砂が地表でたまり、固まったものです。火成岩は、地下深部でできたマグマが、地表もしくは地表付近で固まったものです。変成岩は、地下で温度や圧力によって、もとの岩石が溶けることなく別の岩石に変わったものです。
 日本列島では、成因の違った3種の岩石が、複雑に分布しています。そして、そのできた年代や条件が、それぞれに異なっていて、多様になっています。
 堆積岩では、ごく普通の礫や砂利などからできている岩石、生物の遺骸が集まった岩石、温泉や海底などで沈殿したものなどがあります。できた時代も、古生代から、つい最近できた地層まであります。できた場所も、海でたまったもの、湖でたまったもの、陸地でたまったものもあります。
 火成岩では、火山岩や深成岩もあり、その種類や出かた(産状といいます)も多様です。火山岩では、白っぽいデイサイトや流紋岩から、灰色の安山岩、黒っぽい玄武岩やピクライトまであります。深成岩でも、花崗岩、閃緑岩、斑れい岩、カンラン岩などがあります。産状も、火山灰などの火山から吹き飛ばされた火山砕屑岩、水中で噴出した枕状溶岩やその破砕岩(ハイアロクラスタイトと呼ばれます)、マグマが地表で流れ出た溶岩、地中で岩石を貫いた貫入岩、地下深部でゆっくりと冷え固まった深成岩まであります。
 変成岩は、温度条件の変化として、マグマによる加熱、地下深部の温度上昇(地温勾配といいます)によって変成を受けたものがあります。また、圧力条件の変化として、地球深部の圧力で変わったもの、プレートの沈み込みによって地下深部に持ち込まれたものもあります。また、温度と圧力の両方が上がってできたものもあります。また、機械的物理的に砕かれて変成を受けたものもあります。このような温度と圧力などの条件に違いによって多様になります。さらに、もとの岩石の種類によっても多様性が増します。
 ある地域の岩石が、たとえ一つの成因だけでできていたとしても、よく見れば、どの地域をとっても、その大地を構成する岩石は、多様であることがわかります。そのような大地の岩石には多様性があることがわかっていても、やはり日本列島を形づくっている岩石は、多様だといえます。
 その多様性は、たまたまなのでしょうか。それとも何か訳があるのでしょうか。それは次回としましょう。

・二度と採れない・
日本列島は、岩石だけでなく、鉱物も多様に産出します。
岩石が多様だから、鉱物も多様になります。
多様性を知ることができたのは、
実は、日本は狭い国土に多くの地質学者が
研究を続けてきたためです。
明治以降、鉱山が各地で開発され、採掘されたため、
多様な鉱物が発見されてきました。
大型の貴重な鉱物標本は大学や博物館などに保管されていますが、
その鉱山で、当たり前の鉱物標本が、案外なかったりします。
今では閉じられた鉱山の標本は、もはや手に入れることができません。
ですから当たり前のものが非常に貴重になります。
幸い、鉱物を収集しているマニアが日本にいたので、
その人の標本が残っていることがあります。
もう二度と採れない標本は、
今あるものを大切にしなければなりません。
これは、鉱物標本だけでなく、
すべての自然物についていえることですね。

・術後・
眼の手術をしました。
1週間は安静にして、毎日通院して検査を受けていました。
その後、1週間は雑菌を入れないようにしながら、
無理をせず、日々を過ごしていました。
しかし、仕事があるため、自宅で少し仕事をしたり、
大学にも午前中だけですが、でていました。
そして今日、最終的に検査を受ける予定です。
一応経過は良好なので安心していますが、
眼の中を縫っていて、糸が解けるまで1月ほどかかるので、
ホコリがはいると、いつまでも眼が開けらない状態になります。
まあ、無理をせずに復帰していくつもりです。