2007年11月1日木曜日

3_60 キンバーライト:変わった石3

 「変わった石」のシリーズに少し間があきました。久しぶりになりますが、日本では見られない変わった石を紹介しましょう。それは、キンバーライトと呼ばれる岩石です。


 キンバーライトと呼ばれる石は、日本からは見つかりません。日本だけでなく世界的に見ても、キンバーライトは珍しい石ですが、非常に重要な岩石です。キンバーライトとして有名なのは、南アフリカ共和国北ケープ州の州都にあたるキンバリーというところのに産するものです。岩石の名前の由来ともなっているところです。
 キンバリーのキンバーライトとは、いったいどんな岩石なのでしょうか。キンバーライトは、マグマが地表に噴出して固まった岩石です。ですから、火山岩の一種です。
 岩石の特徴として、揮発成分やカリウムをたくさん含むこと、分類では超塩基性岩になること、カンラン石が多い雲母(金雲母と呼ばれるもの)を主要な結晶として、輝石やザクロ石なども含んでいることです。雲母カンラン岩と呼ばれることもあります。一般に蛇紋石化していることが多いようです。
 上のような特徴は、日本でよく見られる火山岩にはないものですが、もっと大きな違いがあります。それは、時代、産地、成因、そして特別な鉱物を取り込んでいる点です。
 キンバーライトが形成された時代は、先カンブリア紀(5億4200万年前)以前の古いものばかりです。日本の火山岩は、古いものは少なく、新しい時代ものがほとんどです。また、キンバーライトが見つかるのは、大陸だけです。ですから、大陸の形成や大陸深部の条件が、キンバーライトの起源に大きなかかわりがあることになります。
 キンバーライトの成因として、マグマが非常に深いところ(150~250km)から、すごいスピード(一説には時速30~60kmといわれている)で上昇してきました。
 なぜそのようなことがわかるのでしょうか。キンバーライトには、ダイヤモンドを含むことがあるのが、重要なヒントになります。
 ダイヤモンドは炭素(C)からできています。地球に深部で炭素が集まると、150kmより深い条件では、炭素はダイヤモンドの結晶になります。しかし、浅くなると、ダイヤモンドは石墨(グラファイト)に変わってしまいます。
 キンバーライトは、タイヤモンドが石墨に変わる前に地表まで上がってこなければなりません。いったん上がってきたダイヤモンドは、準安定な結晶して石墨に変わることはありません。そのためには、スピードが必要です。
 ダイヤモンドは、ゆっくりと温度や圧力が下がってくると、石墨になってしまいます。つまりキンバーライトは、マグマとして、ものすごいスピードで上がってきたことになります。
 すべてのキンバーライトにダイヤモンドが含まれているわけではありません。ダイヤモンドはキンバーライトだけからしか見つからないわけではありません。しかし、キンバーライトといえばタイヤモンドと連想する地質学者も多いはずです。
 地質学者はキンバーライトからダイヤモンドの起源や由来の思いをはせ、女性はダイヤモンドの輝きに思いをはせるのでしょうか。

・タイヤモンド・
タイヤモンドは、インドでは紀元前から採掘されていました。
かつては、インドが世界で唯一のダイヤモンド産地でしたが、
今では多くの地域で採掘されています。
アフリカで1867年にダイヤモンドがキンバリーから発見されました。
ボーア人の農民の子供が遊んでいる石に目を留めて、
鑑定したところ、それがダイヤモンド原石だと判明しました。
発見と共に、周辺はダイヤモンドラッシュとなりました。
世界各地から、一攫千金を夢見て採掘者や投機家が殺到し町ができました。
それがキンバリーです。
1915年には露天掘りでの採掘は終わりましたが、
あとには、直径約500m、深さ400mの世界最大の穴
ビッグ・ホール(大穴)が残りました。
今では観光地となっています。
ビック・ホールは一攫千金という夢の跡なのです。

・冬を迎える季節・
この数日ほどは、暖かい日が続いています。
しかし、朝夕はストーブとたくことが多くなりました。
北海道は、ここ一週間ほどで
木々が一気に葉を落としました。
いつ里に雪が来てもおかしくなり季節となりました。
10月の大学祭や学芸会の行事も終わりました。
11月は穏やかな日々が流れるときです。
北海道では、11月は冬を迎える季節でもあります。