2007年10月25日木曜日

6_66 グーグルで地球の旅5:月と火星の探検

 グーグルアースを用いた地球の旅も今回が最後となります。最後にふさわしく地球外の旅をしましょう。

 グーグルアースは、世界各地を、空を飛びながら旅をさせてくれます。グーグルアースは、無料公開されているソフトです。そして、すごいことに、しょっちゅうバージョンや機能は上がっていきます。それも大きな宣伝もんしにです。
 気づくととんでもない機能が加わったりしています。知らないうちに、膨大なデータをもった天文シミュレーションの機能がついたり、YouTubeや静止画でジオタグを持った情報とのリンクも付け加わっていました。
 そのような機能を5回にわたって、エッセイで紹介してきたのですが、今回は最後ですので、グーグルを使った惑星探検の旅を紹介しましょう。
 グーグルアースは仮想のものではありますが、現実の位置情報と画像などの各種のデータをリンクすることで構成されています。グーグルアースが常に新鮮さを保っているのは、地理情報(ジオタグ)とそれにリンクした膨大な情報があり、増殖している状態であるからでしょう。
 地球以外の天体でも、同様の位置情報と網羅的な画像情報があれば、原理的にはグーグルアースと同じよう仕組みをつくることができます。何も私が考えなくても、グーグルはすでに考えて公開しています。
 地球と同じような位置情報と画像情報がある天体は、月と火星です。月はグーグルムーン(http://www.google.com/moon/)、火星はグーグルマース(http://www.google.com/mars/)として、公開されています。
 グーグルムーンでは、画像(Visible)や標高(Elevation)、アポロ(Apollo)が降り立った地点が表示できます。アポロが降りて調べた周辺地域では、地図(Charts)のタグをクリックすると、地形図や地質図も見えるようリンクされています。また、画像とともにアポロの成果も、紹介されていきます。地質学者だけでなく宇宙に興味ある人にとっては、垂涎もののデータといえます。
 グーグルマースでは、画像(Visible)や標高(Elevation)、そして赤外線による画像(Infrared)があります。火星では、地形に対応した多数の地名がすでにつけられていますが、それが検索できます。地形のタイプで検索すると、リストが表示されて、選べば、その位置へジャンプしてくれます。地図上のアイコンをクリックすれば、更なる情報が提示されます。必要に応じて説明サイトにリンクされています。
 これまで、グーグルアースに関連した情報をいろいろ紹介してきましたが、これは「現状では」というただし書きのついたものというべきでしょう。今後、もっとデータや情報は増殖していきはずです。そして、いろいろな機能も付け加わっていくはずです。グーグルアースが今後どのような進化を遂げるか楽しみです。
 でも、「グーグルアースの将来は」などと、ここで議論する気はありません。このような豪勢な情報を無料公開してグーグルに感謝して、使っていくことが、グーグルにとってもいいことなのでしょう。今までそのようにしてグーグルは成長してきたのですから。

・ポリシー・
5回に及ぶグーグルアースの紹介でした。
紹介しているうちに、新しい機能が付け加わりました。
グーグルの太っ腹には感心します。
グーグルムーンもグーグルマースも
残念ながらサーバが速い回線になっていないようで、
少々時間がかかるのが難点でしょうか。
でも、充分楽しめます。
それにして、これほどいろいろなことをしながら、
グーグルのメインの検索画面がシンプルであることは
非常にいいコントラストとなっています。
シンプルな検索画面は、
グーグルのポリシーを示しているようで
すがすがしさを感じます。
検索エンジンとしての実力もさることながら、
そんなポリシーも多くのユーザを獲得している所以かもしれませんね。

・学芸会・
北海道は秋が深まってきました。
大学の学園祭は終わりましたが、
今は小学校で学芸会が行われています。
今週末は子供の小学校で学芸会があります。
親バカかもしれませんが、
小学生の学芸会とはいえ、
なかなか見ごたえのあるプログラムが
いろいろあり、楽しめます。
長男は毎年新しい楽器に挑戦しているので、
早バスで朝錬をしています。
その成果が報われるといいのですが。
でも、努力することに意味があるのでしょう。

2007年10月18日木曜日

6_65 グーグルで地球の旅4:Skyモード

 グーグルアースを紹介していますが、今回は空を旅する方法を紹介しましょう。

 グーグルアースでは空から眺めるように旅行ができ、訪れている場所にリンクされた情報があれば、テキストはもちろん、画像でもURLでも、表示してくれます。つい最近、さりげなく新たなレイヤが付け加えられました。YouTubeとよばれる動画投稿配信サイトの動画もグーグルアースで見ることがことができるようになりました。位置情報(ジオタグと呼ばれています)がつけられていれば、地球のいたるところの、いろいろな情報が、グーグルアースと結びつくようになってきました。
 しかし、グーグルアースで訪れることができるのは、なにも地球だけではありません。夜空の旅行もできます。
 グーグルアースのバージョン4.2から、グーグルスカイ(Google Sky)と呼ばれるモードがつけられました。切り替えは、グーグルアースの上のツールバーに土星マークのアイコンがあります。そのアイコンをクリックすれば、グーグルスカイのモードになります。それに伴ってレイヤもスカイ用に切り替わります。
 グーグルスカイとは、プラネタリウム、あるいは天体シミュレーションソフトのようなものです。レイヤで選択すれば星座やメシエ番号の表示もできます。天体に関する各種の説明も表示されます。並みの天体シミュレーションソフトとは違って、そのデータ量はグーグルらしく他のソフトの追従を許しません。1億個の星、2億個の星雲のデータが納められています。もちろん月や惑星の軌道などの時間変化も示してくれます。
 このようなデータは、グーグルのチームが、カリフォルニア工科大学のパロマ天文台、宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)、Digital Sky Survey Consortium(DSSC)、スローン・ディジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)、英天文学技術センター(ATC)、英豪天文台の画像を集めて作成しています。また必要に応じてNASA/IPAC Extragalactic DatabaseやSimbad(天体データベース)へのリンクもはられています。さらにNASAの協力でハッブル宇宙望遠鏡で撮影された約120枚の高解像度画の写真もあります。これらはすべてレイヤ操作で簡単に探すことができます。
 このような優れたソフトが無料公開されているのです。使わない手はないという感じです。
 実は、私は少し前から、いい天文シミュレーションソフトがないかなと思っていました。どれを買おうかなと思いながら、そのうちに決めようと、ずるずとしているうちに、グーグルスカイが出てきたのです。細かなシミュレーションを必要としなければ、これがあれば充分用が足せます。少なくとも私には充分なものとなりました。これで、天体の名称がでてきても、どの辺りにあるのか悩まなくても、すぐに調べることができます。
 グーグルは夜空の散策だけではなく、もっとすごい探検も提供してくれます。それは次回としましょう。

・YouTube・
グーグルは、さりげなくすごいものを出してきます。
グーグルアースで画像やURLへのリンクができるなら、
当然動画にもリンクできるはずです。
そしてYouTubeと書かれたレイヤが
さりげなくできていました。
YouTubeは、だれでも自由に動画の投稿ができ、
だれでもその動画を自由に無料で見ることできるサイトです。
動画の画質や時間には制限がありますが、その情報量は膨大です。
ちなみにグーグルアースのYouTubeのレイヤで日本をみると
すでにかなりの数が登録されています。
これからは、ますます多くなっていくでしょう。
静止画だけではなく、動画でしか見れないものも
公開することができます。
ますますグーグルアースでの旅が楽しくなります。

・ジオタグ・
ジオタグとは位置情報を動画や画像に付加するものです。
YouTubeだけでなく、写真投稿サイトのFlickrでも
ジオタグを付けられるようになっています。
今後、ジオタグは、当たり前の機能になるのかもしれません。
地質学のような位置に関する情報が不可欠な学問分野では
ジオタグは非常に有用なフォームだといえます。
地質学で体系的に利用する仕組みがあってもいいのかもしれません。
私もそれについては以前から考えていて、
私なりの提案はしていますが、
このような提案は、最終的に多くの人が
使うようにならなければ意味がありません。
その点、グーグルアースは非常に有効な
プラットフォームになるかもしれませんね。

2007年10月11日木曜日

6_64 グーグルで地球の旅3:レイヤ

 グーグルアースを紹介しています。今回は、レイヤの使い方を見てきましょう。いろいろな情報をグーグルアース上で見ることができます。

 グーグルアースは、地球のいろいろなところを旅行気分で、あるいは鳥の視線で眺めることができます。グーグルアースをマウスで動かしているだけでも、充分楽しいのですが、他にもいろいろな使い方があります。そのいくつかを紹介しましょう。
 使い方の一つに、レイヤというものがあります。左下のウインドウに見えているものです。そのレイヤを利用するといろいろなものをグーグルアース上にアイコンとして表示することができます。
 レイヤで、「特集コンテンツ」の「NASA」のボタンをオンにして表示をすると、NASAのアイコンがグーグルアース上に表示されます。アイコンは、1960年代からNASAが撮影した宇宙から見た地球の画像の位置が示されています。非常に鮮明なものがいろいろ見つかるはずです。
 現在私が気なっているものに、GigaPanというプロジェクトがあります。レイヤでは、「特集コンテンツ」の「Gigapan Photos」となっていますが、600枚以上の巨大なパノラマ画像が、すでて公開されています。GigaPanは、非常に高精細なパノラマ画像を撮影して合成して公開するためのプロジェクトです。名前のとおりギガ・ピクセルのサイズの画像も公開されています。その鮮明さには目を見張ります。
 このプロジェクトでは、特別な装置で撮影した画像を、公開されているソフトでサーバに送るとパノラマ合成してくれるものです。カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)の研究者が行っているもので、グーグルもNASAもスポンサーになっています。ですから、巨大なサーバが自由に使えるのでしょう。撮影はともかく、グーグルのような巨大サーバがあれば、高精細のパノラマ画像を大量に公開しても十分なスピードで表示することができます。
 「Gigapxl Photos」でも、巨大で鮮明な画像があります。例えばアメリカのフロリダ半島にあるNASAの基地の画像を見ると、スペースシャトルの打ち上げ準備の画像が公開されています。その画像は、シャトルの横にいる人の姿まで鮮明に写っています。
 他にもいろいろと興味を引くものが公開されています。インストールするとレイヤの上のウインドウにある「場所」に追加されています。アメリカのCBSが公開しているリアルタイムで地震情報を示したり、Panoramioという巨大な画像サイトの画像をグーグルアース上にアイコンとして示すことも可能です。また、場所に関する情報でウィキペディアの記事が編集された最新の50個を示すPlaceopediaというものあります。
 グーグルアースでは、位置情報さえ伴っていれば、表示することができるということです。それは個人のレベルの情報であっても、学会が大きな組織レベルであっても、同等にアイコンで示すことが可能です。
 グーグルアースは、非常に面白いソフトです。いやソフトという範疇には納まらない可能性を持っている気がします。
 グーグルアースは地球をめぐるだけではありません。それは次回としましょう。

・Gigapan・
Gigapanのプロジェクトでは、
パノラマ画像を撮影する精密な装置が、
試作版ですが$279で販売されます。
あまりにも安い価格です。
私も、撮影装置が非常に気になっているので早速申請しました。
採択されるかどうかわかりませんが、10月19日が締切りとなっています。
採用されれば、2、3ヶ月のうちに撮影することになります。
コンパクトなデジカメがセットできて、
装置が自動的に動いてシャッターを切ってくれます。
この装置はパノラマ撮影では、
ノダールポイントを中心に回転させる必要がありますが、
それはどうも配慮はなされていないようです。
しかし、その装置は非常に興味がありますので、
ぜひ試してみたいものです。
興味のある方は、次の動画を参照ください。
Gigapanを紹介動画
http://www.youtube.com/watch?v=sYhwVMB9QYw
装置の撮影方法
http://www.youtube.com/watch?v=_7vscAxKxuw&mode=related&search=

・コンテンツ・
グーグルアースには、いろいろなコンテンツがあります。
そのコンテンツはグーグルの次のサイトにまとめられています。
一度覗いてみてはどうですか。
いろいろな使い方ができると思います。
Google Earth Showcase - 人気スポット
http://earth.google.co.jp/showcase/
Google Earth の特集コンテンツ
http://earth.google.co.jp/featured_content.html

2007年10月4日木曜日

6_63 グーグルで地球の旅2:Google Earth

 グーグルは、あらゆるものが検索できるようにすることを目指しています。その一つに、地球の位置情報もデジタル化して、視覚的、直感的に見ることできるようにする仕組みもあります。

 私たちは、地球や日本を宇宙から映した衛星画像を、テレビや本、インターネットなどでよく目にしています。自分が住んでいる地域や、自分が行きたいところなどの衛星画像が見ることができれば、素晴らしいことだと思いませんか。実はその技術は、グーグルアース(Google Earth)として実現していてます。グーグルアースには、都市部は衛星画像よりもっと精度の高い航空写真が利用されています。航空写真がある地域では、車まで見えるほどの精度があります。知識もなにもない子供でも、ただ見るだけで、充分感動でき、遊ぶこともできます。
 グーグルアースは、グーグルマップ(Google Map)と連携されているので、道路地図の参照ができます。まさに至りつくせりの地理情報となっています。これがあれば、昔訪れた町や場所を上空から訪れることもできます。これから出かける時の案内地図としても利用できます。その位置をグーグルアースで記録しておけば、どこからでも即座に飛んでいけます。まるで、ドラえもんの「どこでもドア」のような道具になっています。
 グーグルアースやグーグルマップの精度は、衛星画像や航空写真ですから、どうしても地上で自分の目で見たような鮮明さはありません。
 例えば、私は、野外調査をすると典型的な露頭の景観を記録するために、デジタル画像たくさん撮影します。時には石の接写撮影もします。そのような人間の目でみるような精度はグーグルアースにはありません。また、私はデジタル画像を用いて、露頭や景観のパノラマ写真の合成などもしています。そのような画像は私のホームページに公開していますが、位置情報がないので、地図と連携して直感的に見ることはできません。
 もし自分や他の人がとった景観写真が位置情報付きで地図と連携して見ることができれば便利で素晴らしいことだと思いませんか。実はその技術も、やはりグーグルアースで実用されています。だれでも、グーグルアースの上で自分の撮った画像を自由に公開できます。グーグルアースでその付近を見ているとき、探している時、青い丸やカメラのアイコンがあれば、そこの画像が誰かが公開していることを示しています。クリックすれば、その画像を即座に見ることができます。その画像は、個人が自由に公開しているものですから、玉石混交です。これらの情報を取捨選択するのは、インターネットではおなじみの見る側の問題といえます。
 グーグルアースを利用すれば、世界旅行をしたり、自分の旅行記録を作成して公開することも可能です。グーグルアースとグーグルマップは、私が出かける時にはなくてはならないツールとなっています。グーグルアースには、私が欲しかった、もっとすごい機能があります。それは次回です。

・無料公開・
グーグルアースのニュースを聞いてすぐ見たとき、
私の自宅のある地域は、まだ衛星画像だけしかありませんでした。
しかしその後しばらくしてからみてみると、
自宅付近まで航空写真が整備されていました。
自分の家の屋根がはっきりと識別できたことに、衝撃を受けました。
航空写真を手に入れれば、自宅を見つけることができるでしょう。
しかし、それのためだけ航空写真を入手する人はいないでしょう。
航空写真をデジタル化して、正確な地理情報と一致させるためには、
画像のオルソ化という変換作業をしなければなりません。
それはなかなか面倒な作業となります。
国土交通省で国土数値情報として公開されている航空写真は、
昭和49年度から平成2年度にかけて撮影されたもので
我が家はまだできていません。
ですから、グーグルアースの航空写真は
もっと新しいものを利用しているはずです。
全世界で航空写真を集め編集するには、
おそらく膨大な資金と手間が必要なはずです。
その成果を無料公開するグーグルとは
不思議な会社としかいいようがありません。
無料のおかげで多くの人が利用して、
グーグルアースのすごさを実感できるようになります。
その宣伝効果は絶大なものでしょう。
それを利用して企業がグーグルに資金を投入することもあるのでしょう。
グーグルは、その相乗効果が上手くいっているのでしょうね。

・秋の恒例・
北海道はめっきり秋めいてきました。
紅葉も始まってきました。
私の身のまわりでは秋の恒例のことがあります。
私の大学の後期の講義がいよいよはじまりました。
はじまったと思ったら、今度の連休には大学祭があります。
子供たちの小学校では、9月から準備を始めた学芸会が
10月下旬におこなわれます。
秋は収穫の時期で、いろいろおいしい作物が集荷されます。
昨日は母から送ってもらった秋茄子を焼いて食べました。
少々皮が硬かったですが、母を思いながら食べました。