2007年8月2日木曜日

5_60 かなたの星まで1:惑星と恒星

 夏の夜は、蚊いたり霞むこともありますが、星を見る機会が多い季節です。かなたに見える星、いくこともできない星ですが、地表にいながら星のことを知る技術があります。今回は、星までの距離を測る方法に焦点をあてて紹介します。

 夏は日が長く、外での遊びも増えます。夜も、花火、キャンプファイアー、祭りや縁日と、いろいろな催しもあります。晴れた夜空を見上げたとき、多数の星を見ることができます。
 先日家族で蛍を見に行ったとき、長男が「月の横に見える明るい星は、なに」と聞かれました。「惑星だと思うけど、どの惑星かわからないな」と答えました。しかし私は答えながら、『前に、夜空を見上げてじっくりと星を見たのは、いつのことだったろう』と、別のことを考えていました。そして、屋空を見上げてじっとしていると、ついつい星の世界に吸い込まれそうな気がしました。
 星を見ていると、日常から離れて、空想や思いの中に入っていくのは、私だけでしょうか。昔の人は、星を見て、明るい星をつないで、いろいろな形(星座)を考え、そして神話を生み出してきました。それと同じような心持ちを、そのときの私はしていた気がします。そんな古代から人々が持ち続けてきた気持ちが、私にも理解できそうに思えました。
 惑星は、ひときわ明るく見え、惑星ごとに特徴もあり、誰もが名前を聞いたことがある馴染みのあるもののはずです。ある夜、星を見上げて、天空に多数見える星が、惑星なのか恒星かを知っている人は、ある程度天体に詳しい人のことでしょう。知識がなければ、夜空にみえる多数の星の中から、惑星と恒星の違いを、どのようにして見分けるのかは、なかなか難しいことでしょう。
 惑星と恒星を見分けるには、天体の運動を、毎夜、観察しなければなりません。長い時間観察した結果、恒星はその配置が季節と共に変化し、毎年同じ季節には同じ星座として見ることができます。恒星は1年で一回りすることを繰り返ていることがわかります。
 一方、惑星は季節変化ではなく、それぞれの惑星に固有の時間によって位置を変えることに気づきます。惑星の動きは、天空を惑(まど)っているように、少々変わった動きをしていることが特徴でした。時には、惑星が、恒星の前を横切ることもありました。
 惑星は不思議な運動をするのですが、惑星も他の恒星と同じように、高い天空にある考えられていました。しかし科学が進んでくると、惑星が他の恒星と違い、太陽系という太陽の周りを巡る星であることがわかってきました。その運動や位置は、コペルニクス、ガリレオ、ニュートンなどによって完成された、物理の法則によって正確に知ることができます。
 しかし、太陽系より外にある星のことについて、どこにあるのか、どれくらい離れているか、などがわかるには、長い時間がかかりました。この続きは、次回としましょう。

・ニュース・
かなたにある星までの距離を正確に求めることは、
じつはなかなか困難なことなのです。
しかし、先日国立天文台は、
約2万光年もかなたにある天体の距離を
正確にはかることに成功したというニュースが報じられました。
今までの精度より4倍も正確に、距離を決めることができました。
その方法と精度を説明するために、
今回の一連をエッセイを書くことにしました。

・秋田から青森へ・
私は、このエッセイが公開される頃には、
秋田から青森の海岸線を走っています。
海岸線といくつかの地域を見ることと、
そして家族旅行が目的でもあります。
暑い季節には北海道に居るのが一番のなのですが、
私の調査の順番から、
本州の中部から北部に行かなければならなくなりました。
春がいいのですが、時間的余裕があまりないので、
今回は、夏休みにすることなりました。