2007年3月1日木曜日

6_56 情報収集衛星

 先日のニュースで、H-IIAロケットによって情報収集衛星の打ち上げが成功したということが報じられました。今回はこの情報収集衛星について紹介しましょう。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2007年2月24日13時41分に、種子島宇宙センターからH-IIAロケット12号機を打ち上げ、情報収集衛星2機を分離したことを確認した、というプレス発表をしました。
 この記事をみて、「情報収集衛星て何」という疑問を感じた人もおられたかもしれません。JAXAのホームページを見ても、情報収集衛星についての詳しい情報は見つかりません。日本の安全保障に関わることなので、詳細な情報は公開されていないようです。
 しかし、インターネットを検索すると、この衛星についての情報はいろいろ見つけることができます。それらを頼りに、今回の衛星について紹介しましょう。
 情報収集衛星とは、偵察衛星ことです。日本の安全を守るために、宇宙から、他国を偵察するためのものです。
 他国とは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を強く意識しています。そもそもの発端は、1998年8月31日に北朝鮮のミサイル発射実験でした。このテポドン1号と呼ばれているミサイルは、事前通告なしに日本上空を通過しました。
 北朝鮮は人工衛星の打ち上げだといっていましたが、日本としては不意打ちを受けたことになります。ですから、日本の安全を守るために、この事件をきっかけに、日本独自の偵察衛星を打ち上げる計画が自民党から提案され、1998年11月には早くも情報収集衛星のプロジェクトが決定して、総額で約2,500億円の予算が計上されました。
 この偵察衛星は、法令上「我が国の安全の確保、大規模災害への対応その他の内閣の重要政策に関する画像情報の収集を目的とする人工衛星」(内閣官房組織令第4条の2第2項)と定義されています。ですから偵察衛星ではなく、情報収集衛星と公式には呼ばれています。
 情報収集は、光学センサーを搭載して画像を撮影する光学衛星と合成開口レーダーによる画像(夜間や雲があっても撮影可能)を撮影するレーダー衛星の2機がペアとなり、2組、4機で運用されていくものです。4機体制になると、地球上のすべての地点で毎日1回は観測可能となります。
 2003年3月28日に最初の2機(レーダー1号機および光学1号)が同時に打ち上げられました。2003年11月29日に次の2機を打ち上げられましたが、失敗しました。2006年9月11日には光学2号機が、そして今回2007年2月24日にレーダー2号機および光学3号機実証衛星が打ち上げられました。今回の衛星が正式に運用されれば、4機体制が整うことになります。
 光学衛星の解像度は公称1mとされています。しかし、現状の仕様では、どうもこの性能を達成することは容易ではないといわれています。最大分解能を40cmを持つとされる光学3号機は2009年に、レーダー3号機は2011年に打ち上げられる予定となっています。
 2006年7月5日の北朝鮮のミサイル発射実験、2006年10月9日の北朝鮮の地下核実験に対して、この偵察衛星は、それなりの効果があったようです。しかし、当初の計画通りの偵察活動として、それらの実験が検知できたか、対処はどうしたのかなどの内容について、やはり国家機密なので発表はありませんでした。ですから、国民は、この衛星の本当の実力を知ることはできないのです。
 いつまで待っても世界の平和はなかなか来ません。世界が平和でないために、国家の安全のために多くの労力と費用をつぎ込まなければなりません。国対国の争いがなければ、国民の安全のためにもっと労力も費用も使えるのにと思うのは、私だけでしょうか。

・昼間の時間・
いよいよ3月です。
北海道は今年は暖冬でしたが、
でも3月になると春めいてきました。
もちろん雪も降りますし、寒い日もあります。
しかし、季節は春に向かっています。
日の出は早くなり、日の入りは遅くなりました。
昼の時間が長くなったのを感じます。
特に朝6時頃自宅を出て、5時頃大学を出る私にとって
日の出、日の入りは身近なものなのです。

・新研究プロジェクト・
私は、新しい研究プロジェクトとして
地層を丸ごと記載するシステムを開発しようと考えています。
ある会社が開発したハードウェアとソフトウェアに
触発されて思いついたプロジェクトです。
その会社のソフトは以前学会で見たことがあるもので、
社長さんともその時いろいろお話したことがありました。
最近その会社のホームページを見たところ
新しいソフトができ、新しいハードウェアも開発されていました。
私はそれらに興味を持って連絡を取っていたら、
社長さんがわざわざ研究室まで来られることになりました。
そして半日に渡って、社長さんといろいろ話をすることができました。
私はそのハードとソフトを何とか研究費で購入して
新しい利用法を開発しようと考えるようになりました。
それが今回の研究プロジェクトです。
社長さんは、費用などいくらでもいいといわれましたが、
私は、研究に使いたいので正規料金を払うことにしています。
ユーザーとしていろいろ仕様を変更して欲しい点がありましたので、
その改良をお願いすることにしました。
その改良が実現できるかどうかは分かりませんが、
努力するという返事はいただきました。
あとは私の研究費の申請が通るかどうかが問題ですが。
こればかりは、私の努力だけではいかんともしようがありません。