2007年3月15日木曜日

1_58 隕石の起源2:ふるさと(2007.03.15)

 隕石は、どこかでできて、地球に落ちてきたのです。隕石のふるさとを見つける方法を紹介しましょう。

 隕石は、空から降ってきます。しかし、空から降ってくるといっても、空の大気中で、生まれるわけではありません。空よりもっと上の太陽系のどこかで生まれ、そして何らかの理由の地球に落ちてくるのです。それは、いったいどこでしょう。隕石のふるさとを探っていきましょう。
 隕石のふるさとは、どのように調べる前に、まず、太陽系の天体について考えていきましょう。太陽系にある天体は、すべて運動しています。その運動は、自転だけでなく、太陽か、あるいはいずれかの母星の周りを回転する公転もあります。普通、公転は、円ではなく、楕円となります。円も楕円の一種とみなせます。この公転には、楕円軌道がひどくつぶれていてるものも多数あります。
 太陽をめぐるつぶれた公転軌道で、地球より内側まで入り込む天体があれば、長い時間のうちに、地球と軌道が交差することもあります。軌道が交差するということは、衝突を意味します。地球と比べて、その天体が極めて小さい場合が、隕石の落下という現象になります。
 現在の天文学では、運動する天体は、いくつかのデータがあれば、その軌道を計算によって正確に求めることができます。そのためには、少なくとも3回の観測が必要です。正確に軌道を求めるには、ある程度時間をおいた観測が必要です。短期間での3回の観測では誤差が大きくなります。あるいは、短時間であっても、3ヶ所で観測すれば、誤算は大きくなりますが、軌道を求めることができます。
 この軌道計算の手法を隕石に用いれば、隕石がどのような軌道を持っていたかを決めることができます。ただし、これは、理想で、現実には非常に難しいのです。
 なぜなら、隕石は、いつ、どこに、落ちてくる来るかがわかりません。他の天体の観測のとき、たまたま見つかることもあります。しかし、それは落ちてくる時ですから、再度観測をすることができません。また、他の地点で同じ隕石を観測していることは、ほとんどありません。ですから、隕石の軌道を求めるのは、実は、非常に困難なのです。
 現在まである程度正確に隕石の軌道が求められたものは、数えるほどしかありません。ダージャラ、イニスフリー、ロストシティ、プリフラム、ピークスキル、テイギッシュの6個だけです。それぞれ、いくつかのよい条件を満たしていたため軌道を求めることができました。
 テイギッシュは、2000年1月18日の明け方、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の北西部に落下しました。落下の時の光はアメリカの軍事衛星で検出され、大勢の人も見ました。そして、隕石の落ちた後にできた雲が24枚も撮影され、5つのビデオの撮影もありました。このような幸運によって得られたデータから、軌道が計算されました。
 6つの軌道は、いずれも地球より内側を回る軌道なのですが、外側は小惑星帯にあります。ですから、他の隕石も、小惑星帯から由来したのではないかと考えられています。
 小惑星帯には、大小さまざまな小天体が、いろいろな軌道や周期で移動しています。その中には、衝突やニアミスをして、軌道を乱された小天体があったはずです。軌道を変えて、太陽の方に向かうと、ゆがんだ軌道となります。そのような小天体が、あるとき地球と交差したのが、隕石だというわけです。
 隕石と似たような構成物からできた小天体が、小惑星帯には発見されています。ですから、隕石のふるさととして、小惑星帯が有力な候補となっています。

・ピークスキル・
ピークスキル隕石は、1992年10月9日に、
アメリカ合衆国のニューヨークに落ちたものです。
都会に、夕方に落ちてきたものなので、多くの目撃者がいました。
ビデオでとらえた人が少なくとも14人もいたそうです。
大リーグのスタジアムでビデオをとっているとき、
隕石の落下にきづいて、録画した人もいます。
このような豊富なデータからピークスキルの軌道は求められました。
その隕石の一つが駐車してあった車に追突して壊しました。
この車と隕石が日本でも展示即売に出されていましたが、
どうなったでしょうか。
私は、その結果を知りません。

・吹雪・
13日、北海道は、大荒れの天気となりました。
風と雪で、ひどい吹雪となりました。
あちこちに吹き溜まりができて、私は、朝、長靴できたのですが、
靴下が濡れてしまったほどです。
今年は、春が早く来そうだと思っていましたが、
そうは、なかなかいかないようです。
しかし、気温はそれほど低くなく、天気さえ回復すれば、
やはりすぐに融けてしまいそうです。
北国の春は、もう少し先でしょうか。