2007年2月15日木曜日

6_54 組織の力

 人は昔から、一人ではできないような巨大なものや、長いもの、高いものなどをつくってきました。そこには、智恵と技術が必要ですが、それ以上に重要なものがあったような気がします。

 ダニエル・デフォーの小説の主人公ロビンソンクルーソーは、無人島で28年間を過ごしました。そこではたった一人で色々工夫しながら生きていきました。これは非常に特別な例です。だから小説のテーマになったのです。
 普通の人は一人では生きていけません。人は集まって生きています。人が集まると、いろいろな集合ができます。しかし、単に集まっただけでは、烏合の衆と同じで、あまり生産的な行動はできません。
 子供たちが教室で、思い思いに好き勝手に遊んでいる時は、何も起こりません。しかし、その教室で誰か一人が、「皆で、かくれんぼうをしようよ」といって、多くの子供がかくれんぼうに興味を示したとたん、烏合の衆から、目的を持った集団へと変わります。このような目的を持った集団は、組織というべきものです。
 かくれる範囲を、教室のある階や、校舎全体、学校全体にするなどの意見が出るでしょう。そのうち、誰かがリーダー役となって意見をまとめ、鬼の決め方、隠れ方などのルールや役割分担を決めていくでしょう。その過程ではいろいろな意見がでるでしょう。足の骨折している子は鬼には選ばないとか、校舎全体を隠れる範囲にするとか、鬼は1000ゆっくりと数えるとかが決まっていきます。このようなことが短時間で決定され、そしてかくれんぼうへと入っていくことでしょう。
 ここで、かくれんぼうという例を出しましたが、これは目的さえ持てば、どのような組織であっても、似たような力を発揮していきます。目的を持った組織は、非常に活発に自発的に意見が出てきて、つぎつぎと重要なことが決まり、そして実行に移されます。
 一人の人間にはできないような内容でも、目的をもった組織では力を合わせることで、成し遂げられることがあります。明確な目的をもった組織では、能力や個性に応じたいろいろな役割分担や仕事内容が自発的に決められていきます。このような組織をつくること、そして目的を達成することは、智恵ある人間だからできることなのかもしれません。
 自然界でも、組織立った行動をする生物がいろいろいます。アリやハチなどは、役割分担がはっきりしてます。しかし、その集団の行動は、目的を意識して、目的を共有して行われているものではありません。生きる、食べる、子孫を残す、縄張りを守るなど、さまざまな行動が一見組織的になされることがあります。しかし、それは本能というものがその動機となっています。ですから、自発性や工夫などは生まれません。同じ条件なら、同じ繰り返しがなされていくはずです。
 人が文明として作り上げてきたものには、一人では決してできないものも多数あります。エジプトのピラミッド、万里の長城、ナスカの地上絵、法隆寺、古墳など、目的はさまざまですが、古くから素晴らしいものが多数つくられてきました。多くの人の智恵と力が、このような巨大で後世に残るようなものを生み出したのです。これは、明確な目標があったためできたことだと思います。

・airpen・
私は、B5のノートをいつも持ち歩いて使っています。
そこにその日にすべきこと、会議のメモ、
アイディアなどなんでも書き込んでいます。
B5のノートにしたのは、どこでも手に入るからです。
そしてノートの裏表紙には、月々の自作のA4カレンダーを半分に折って
予定表を入れてあります。
B5のノート自体はB5の薄いバインダーにはさんでいます。
バインダーにはルーズリーフに打ち出したものがとじられています。
これが、いろいろ試してきてたどり着いた私のノートの方法でした。
これで今まで満足していました。
ただ、欠点が唯一ありました。
それは、デジタルにするときに手間がかかるということです。
あるとき、airpenという装置を見つけました。
(http://www.airpen.jp/index.html)
見つけた瞬間に試してみたいと思いました。
これはアナログとデジタルの融合する装置です。
もちろんスキャナと手書き文字識別ソフトを使えば、
デジタルにできなくはありません。
手書き文字識別ソフトを購入すれば、今すぐにでも実現可能です。
しかし、それはめんどくさいのでしていません。
めんどくさいということは、よほどの必要性がないと
長続きせず、実用的でないといえます。
今回みつけたairpenというものは、その両者の欠点を補っています。
ノートに書いているものをデジタル装置で
常に読み取っていくというハードウェアです。
A5で100枚分の記憶容量、A4で50枚となります。
それをUSB接続でパソコンに送れば、デジタル画像として読み込めます。
さらに手書き文字識別ソフトで、読み取っていくというものです。
現在このAirpenを試しています。
しかし、なかなかまだ使い方がなじまないでいます。
現在いろいろ試行錯誤の段階です。