2006年4月13日木曜日

2_46 生物の分類5:分子による分類

 生物の分類に生物を定量的に計測するという思想とが進化という考えが導入されるようになりました。そんな状況をみていきましょう。

 生物の種類を分けるのに、リンネはその種に特徴的な形や他の種と区別しやすい特徴(形質といいます)を選んで分類しました。このような分類方法は人為分類と呼ばれていました。
 人為分類では、選ぶ形質に決まりはなく、研究者が任意に選んでいました。人為分類は、研究者(人間)の都合によって選んだ特徴によるものであって、生物が持っている本来の特徴によるとは限りません。かつては、植物分類するとき、大きく木(木本といいます)か草かという、分け方がありました。木か草かは、人間にとっては見分けやすい特徴でありましたが、植物の本質にかかわる特徴ではありません。
 人為分類は、形質を選ぶ人によって、分類の体系が変わっていきます。ですから、あまり普遍性がありません。そこで、より生物の本質に基づいた自然な分類として、系統分類が必要となってきました。
 系統分類とは、生物が進化してきた道筋にしたがって分けていく方法です。現在の生物学の分類は、この自然分類を目指しています。しかし、まだ完全はありません。なぜなら、系統分類を完成させるには、すべての生物の進化が明らかにならなければなりません。私たちが解明した生物の進化は、ほんの少しです。まだまだ分からないことが多く、系統分類は推定の域を出ません。
 系統分類は、人為分類の主観性という欠点を補っているなずなのですが、研究者によって分類内容は変わってきます。人によって分類内容は変わるという点では、人為分類と変わらないのですが、進化に基づくという考え方は進歩しています。分類の目指すべき目標が生物の進化過程の解明ということも明確になってきました。
 系統分類には、大きく2つの方法があります。数量分類学と分岐分類学と呼ばれるものです。
 一つ目の数量分類学は、人為分類の欠点をなくすために、可能な限り多くの形質を調べて、統計的に類似性を定量化する方法です。コンピューターの発展に伴って、定量化の精度は上がってきています。
 数量分類学から派生して、現在では、分類において非常の重要な研究分野となっている分子系統学があります。
 分子系統学とは、生物の細胞をつくっている分子(生体分子といいます)から、類縁関係を推定する方法です。分子系統学の特徴は、目で見た形質ではなく、生体分子の配列の分析を用いて、非常に客観性、定量性をもった方法であります。
 生体分子には、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)およびタンパク質などがあります。DNAはミトコンドリアの中にあるアミノ酸配列がよく使われています。タンパク質としては、チトクローム、ヘモグロビン、フィブリノペプチドなどのアミノ酸配列が使われます。
 分子系統学は、生体分子が一定の速度で変化してきたという考え方に基づいています。生体分子の違いが小さければ近い仲間で、違いが大きければ遠いものとされています。
 このような考えかたをつきつめていくと、生物は一つの共通の祖先から誕生してきたことになります。そのような最初の生物を、コモノートと呼んでいます。分子系統学は、コモノートからすべての生物は枝わかれしてきたとする進化の考えかたを前提としています。
 分子系統学にも欠点があります。それは、もちいる生体分子の種類によって、系統関係が違ってくることがあります。正確を期するためには、生体分子も1種類だけでなく、できるだけ多くの種類で比較することが重要になります。そして、それらの比較したものをいろいろな統計的方法で近縁関係を調べていかなくてはありません。
 もうひとつの分岐分類については、次回としましょう。

・新入生・
いよいよ大学の講義が今週からはじまりました。
新しい学科での専門科目の講義も始まります。
新学科なので、新入生の1年生だけです。
みんな、まじめに講義を受けています。
真剣に取り組んでいるのが、ひしひしと伝わります。
高校生でもない、まだ大学生らしくなく、
ちょうど過渡期のような状態です。
これから、大学という新しい環境で、
彼らは日々変化していき、大学生になっていくことでしょう。
いい変化、悪い変化、いろいろな変化が起こるでしょう。
変化の良い悪いは、外部の人間が判断すべきことではないでしょう。
自分で判断べきでしょう。
自分自信の判断も、その時でなく、後に判断することも多いでしょう。
あのときこうしておけばよかったということだけは、
できれば避けたいですね。
後悔先に立たずです。
こんなことを考えるのも、やはり新入生が入ってきたからでしょうか。

・水泳教室・
我が家の2人の子どもたちが、新しいことをはじめました。
水泳教室に通うようになりました。
昨年の夏に短期間、水泳教室に通いました。
そして夏の間、開放されていた小学校のプールに
毎日のように通い、水泳が好きなったようです。
今年の春休みにも4日間、水泳教室に通ったのですが、
次男が水泳を習いというので、週2回通うことになりました。
長男も次男に泳ぎで負けるのは嫌なようで、
週1回ですが通うことになりました。
先週からはじまったのですが、
冬の間の運動不足のためでしょう、
帰ってくるとかなり疲れているようです。
しかし、子どもは回復が早いので翌日にはけろっとしてます。
北海道で温水プールというのも、あまり地球に優しくないのですが、
子どもにとっては、北海道の野外で泳ぐ機会は非常に少なくなります。
しかし、どこかに出かけたとき、泳げる方が楽しいに決まっています。
それに、泳げないことで嫌な思いをするより、
泳げることで楽しい思いをするほうがいいと思っています。
好奇心をもっていろいろ経験をしてみて、
そこから自分の好きなこと嫌いなことを
判別していけばいいと思っています。
経験してみないことには、好きか嫌いかも分かりません。
そんな経験がたくさんあったほうが、
いろいろなことに対して、自分なりの判断ができるのでしょう。
まあ、いろいろいってはみても、親ばかなのでしょうね。