2005年12月16日金曜日

1_54 新生代3:気候変動(2005.12.16)

 地質時代シリーズの新生代の3回目です。今回は新生代に起こった気候変動を見ていきましょう。

 太陽は、自ら輝いています。その輝きは、核融合によって、もたらされています。核融合に関しては、さまざまな実験や研究がなされて、詳しく分かってきました。太陽が恒星として進化していくと、時間と共に太陽光度が強くなることがわかってきました。
 そのような光度の変化が、地球環境に大きな影響を与えることを最初に指摘したのは、カール・セーガンとミューレンが1972年に発表した論文でした。
 彼らの指摘がもし本当なら、地球は20億年前より古い時代は、全球凍結していたはずという計算結果がでています。
 しかし、地球には38億年前には海が存在していたという証拠があります。それは、海底で溜まった地層が、その時代にはあるのです。そして38億年前から現在まで、各時代の地層があります。つまり、38億年前以降、海がずっと存在していたことになります。
 なぜ、このような不思議なことがおこっているのでしょうか。2つの研究の結論は、矛盾したものとなっています。これを暗い太陽のパラドックス(faint young Sun paradox)と、セーガンらは呼びました。
 このパラドックスを解決するためには、地球の大気組成が、時代と共に変化してきたと、考えればいいとセーガンらは提案しています。それは、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の大気で占める割合が、時間と共に変化してきたと考えれば、解決できるというものです。つまり、二酸化炭素が時代と共に減ってきたと考えれば、暗い太陽のパラドックスを解決できるのです。
 現在、二酸化炭素が非常に少ない状態です。20億年前以前は、二酸化炭素の温室効果で、暗い太陽を補って地表を暖めていました。20億年前以降から現在までは、二酸化炭素を減らすことによって、太陽の暑さをしのいでいるという状態です。そして現在、二酸化炭素はほとんどなくなり、温室効果が非常に少ない状態です。
 もし、太陽内での核融合のモデル計算が正しければ、太陽光度はこれからも、数十億から億年のタイムスケールで上昇していきます。そうなれば、将来、地球は温室効果をする二酸化炭素をほとんど使い尽くしたので、熱くなり、やがては海も蒸発するかもしれません。金星のような暑い星となるかもしれません。
 違うスケールで、別の気候変動の記録が読み取られました。それは、地層中に残された化学成分を使って、地層ができた当時の気温を推定する方法です。それによると、パレオジン初期(約5500万年前)から、地球の気候は寒冷化の一途をたどっていることがわかってきました。この寒冷化という気候変動は、現在も進行中だと考えられています。これは、数千万、数百万年というスケールでの寒冷化です。
 このような寒冷化の原因は、地球の冷却が考えられています。そのシナリオの基づくと次のようなストーリが考えられています。
 地球が冷却してくると、地球内部のマントルの対流が衰え、プレートの生産速度が低下します。それによって、火山活動も衰えて、火山噴火によって放出される二酸化炭素の量が減り、温室効果が低下することになります。これが寒冷化のシナリオです。
 もしこのシナリオが正しければ、今後、寒冷化はつづくことになります。
 気候変動は、不規則ですが、変動していることは、さまざまな証拠からわかってきました。しかし、このような変動が、何に由来するかはよくわかっていないのが現状です。
 太陽光度の上昇は数十億から億年のスケールの温暖化、地層に記録された寒冷化は、数千万、数百万年というスケールです。人類が気にしている地球温暖化は、数百から数十年の単位です。
 気候変動のメカニズムは、まだ解明されていません。まして、気候変動の未来予測はなかなか困難です。もっと気候変動の研究を進めていく必要があります。

・カンジキ・
先日は関東にも雪が降り、寒い日が続いています。
私の住む北海道にも、やっと本格的な雪が降りました。
このまま積もれば、根雪になりそうです。
先日の日曜日には、今年初めて吹雪いて、一気に積もりました。
湿った雪で重かったのですが、冬らしくなりました。
私は冬のスポーツはしていないのですが、
子供と一緒に新雪の森を歩くことが目標です。
昨年はまだ長男や次男が森を歩くのは無理なようなのと、
私がスキーにするかスノシューにするかなど迷っていて実行できませんでした。
今年は、いろいろ考えた結果、カンジキをはいて歩き回ることに決めました。
私と家内の分は買いました。
このカンジキが、子供たちの長靴にあるかどうかを試して
大丈夫そうなら、子供たちの分も注文するつもりです。
今年の冬は、家族で、カンジキをはいて、
新雪の森林を歩ければと思っています。

・師走・
師走も、もう半ばとなりました。
暮れのさまざま行事、年賀状、来年の準備、
加えて、我が家には、暮れから正月にかけて母が来ます。
久しぶりに、家族で温泉に泊まりで出かけることになります。
そんなことを考えていると、師走は、
あっという間に過ぎてしまいそうです。
今年中、12月中にやるべきこと、整理すべきこと、
いろいろやるべきことが残っています。
あわただしさが、師走なのでしょうが、
やるべきことはちゃんとやりましょう。