2005年11月17日木曜日

5_44 望遠鏡の工夫

 地球を調べるシリーズの2回目です。前回に続いて光学望遠鏡の話題です。

 望遠鏡でより多くの天体、つまり暗い天体まで見るには、弱い星の光を、できるだけたくさん集めた方がいいわけです。そのためには、望遠鏡の口径を大きくして、光をたくさん集めればいいことになります。その結果、望遠鏡の口径が大きくされていきました。
 望遠鏡を大きくしていくと、レンズを正確に作る技術にも限界があります。屈折望遠鏡では、1m以上になると、精度の良いレンズは、非常に製作が難しくなります。そのため、大きな口径の望遠鏡は反射望遠鏡になりました。
 反射望遠鏡は、屈折望遠鏡の大きさをはるかにしのぐ、10mほどの口径にまで発展しました。しかし、レンズが大きくなれば、レンズが自分の重みで歪んできます。やはり限界がでてきたのです。
 現在は、次世代の望遠鏡として、小さなレンズの集合体として大きなレンズをつくり、レンズ自身の歪みを、コンピュータを使って小さなレンズを動かして補正するという技術が生まれました。能動光学と呼ばれる技術です。
 口径の大きい望遠鏡をつくりより、能動光学で十分調整された性能のいいレンズの望遠鏡をつくる方が今では主流となっています。その口径は、6mから8mほどのサイズです。日本の誇るハワイにあるすばる望遠鏡も、このような能動光学を駆使したものとなっています。この技術が。確立され、進歩してくれば、数十mというサイズの望遠鏡の建築も可能になるかもしれません。
 望遠鏡の精度を上げられない要因が、もう一つあります。それは、大気の乱れです。星が瞬いて見えるのは、大気が動いているため、その中を通る光が乱れるからです。
 大気の乱れを避けるためには、大気のない大気圏外がいいわけです。そのような理由でつくられたのが、ハッブル宇宙望遠鏡です。しかし、地球外にものを、それも巨大で精密な望遠鏡を持っていくのには、ものすごい手間と費用がかかります。ですから、そう容易にできるできることではありません。
 地表で何とかできないでしょうか。そんな思いで生まれたのが、補償光学という技術です。
 原理は、明るい星を一つ決め、その明るい星の光の乱れから、大気の乱れを瞬時に計算して、補正するというものです。大気の乱れを観測し、その乱れを補正するために、100分の1秒以下の単位で、小さな鏡を変形していく技術です。
 現在、そのような補正に使える星の数が、限られていることが問題となっています。空の1%くらいにしか、そのような星がなく、あと場所では、この技術が使えないのです。
 しかし、人間はあきらめないのです。大気の乱れを測定するための星がなれば、人工的に星に変わるものをつくればいいと考えたのです。
 ハワイ・マウナケア山にあるケック望遠鏡で、補償光学をするために、人工的に「明るい星」に変わるものをつくったのです。レーザで上空95kmにあるナトリウム原子の層を照らし、その層が9.5等星の明るさで輝くようにしたのです。つまり人工的に明るい星に変わるものをつくり出したのです。その輝きを利用して、空気の乱れを測定しようということです。
 この技術が確立されれば、ケック望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡の4倍の解像度が出ると考えられています。
 人間の知恵には、限界がないのでしょうか。このような最先端の技術を見ていると、そう感じてしまうのは、私だけでしょうか。

・冬の到来・
いよいよ私の町にも、初雪が降りました。
平年より2週間ほど初雪が遅かったようです。
初雪の前までは、暖かかい日が続き、
雪虫もいつもりたくさん飛び交っていました。
庭の木々には、もうすでに雪囲いが施されています。
公園のベンチもまとめてビニールがかけられています。
ブランコも取り外されました。
我が家の車も、スタットレスの冬タイヤに変えました。
みんながそれぞれ雪に備えてきました。
いよいよ冬の到来です。

・年の功・
大学では、若者たちが、薄着で冬を迎えています。
彼らはどうしてあんな薄着で耐えられるのでしょうか。
いつも不思議で仕方がありません。
確かに彼らも外に出ると寒そうにしています。
それでも、彼らは薄着で済ましています。
私にはもう寒さに耐える気力、体力がありません。
ですから、早めに厚着をして対処しています。
これは、老化でしょうか。
それとも年の功でしょうか。