2005年10月13日木曜日

4_64 石狩川の源流へ

 9月下旬の連休に、石狩川の上流を目指しました。石狩川の源流である石狩岳に、できるだけ近づきたいと考えて出かけました。

 北海道を代表する石狩川は、アイヌ語が語源だとされています。いくつかの説があるようですが、「非常にまがりくねった川」を意味する「イ・シカラ・ペツ」というアイヌ語が語源だといわれています。
 石狩川の源流は、標高1967mの石狩岳です。石狩岳は、大雪山系から東に延びる石狩山地の中にあり、主峰ともいうべき位置にあります。石狩岳に端を発した石狩川は、大雪山を反時計回りに流れながら、旭川、深川、滝川、岩見沢、江別を抜け、石狩で日本海に出ます。全長268kmに及ぶ大河です。
 長さでみると石狩川は、日本では3番目の長さで、北海道では一番長い川です。日本で第一位が367kmの信濃川、第二位が322kmの利根川です。ここに示した川の長さは、現在ものです。
 石狩川は、もともとの人手が入る前の状態では、語源どおり、激しく蛇行していたため、356kmもありました。第一位の信濃川に次ぐ長さでした。しかし、明治から開拓が始まると、治水事業として、蛇行を短絡してまっすぐにする工事がおこなわれました。その結果、88kmも短くなりました。現在も治水工事は続いています。
 私は、北海道に13個ある一級河川を調べています。中でも石狩川が長く、自宅の近くにあるので、よく調べています。しかし、なかなか源流へは出かけることができませんでした。そこで、思い切って今年の9月下旬の連休にでかけました。
 連休の初日は雨でした。調査もできないで、層雲峡でうろうろしていたのですが、夕方近くになって雨が上がったので、下見をかねて、石狩川源流に向けて出かけました。層雲峡を抜けて、石北峠に向かう国道39号線から左に別れ、次いで三国峠に向かう国道273号とも分かれ左に進みます。そこからは林道です。
 下見のつもりで途中までいって、いい川原を見つけたので調査をしました。その日は暗くなったので、それより奥に行くことなく帰りました。翌日は大雪山の黒岳に登る予定だったので、翌々日にもう一度、もっと上流まで調査に入るつもりでした。
 翌々日に再度出かけたとき、驚きました。上流に入る林道は通行規制がされていました。大雪山の山腹に大雪高原温泉があるのですが、そこまでマイカーがたくさん入り、事故も起こるのでしょう。国道脇の駐車場にマイカーをとめて、そこから先はバスで温泉までいくことになります。
 下見に行った日は、天気が悪く観光客もいないので、通行規制が解除されていていたようです。通行規制を知らせる看板があったのですが、解除という張り紙がしてあったので、もう規制の期間は終わったのだろうと思い込んでいました。
 調査するつもりの日は、天気もよく、駐車場には多くの車やバスがとめてありました。バスで温泉に行ったのでは、調査になりません。ですからあきらめました。でも、いつの日にか、石狩川の源流の調査をしてみたいものです。

・源流へ・
私が石狩川の源流の調査を渋っていたのは、
層雲峡が有数の観光地で、
なかなか安い宿が取れないのと、
人が多いことが理由でした。
石狩川源流への旅は、
9月23日から25日の連休でした。
早めにペンションを予約しておき、出かけました。
予想通り紅葉シーズンで
多くの観光バスが層雲峡には来ていました。
源流へはいけなかったのですが、
上流の各所で調査はしました。
しかし、できればなんとか再度出かけて
念願の源流をたどりつきたいものです。

・渡り鳥・
山の上の方は9月下旬ですが
紅葉が始まっていました。
私が登った黒岳には、
9月20日には初雪が観測されていました。
先日朝大学に着くと
空からカモの鳴き声がしました。
見上げると快晴の秋空を
南に向かって渡り鳥が飛んできました。
彼らは季節の変わり目を忘れることなく
移動を続けています。
季節や自然は人の思いとはかかわりなく流れていきます。