2004年8月19日木曜日

1_31 時代の境界(2004年8月19日)

 前回まで、時代の区分の仕方や考え方を見てきました。今回は、実際に、どのように時代区分されていくか見ていきましょう。

 地球の時代区分は、化石と放射能を出す元素(放射性元素)を利用して、おこなわれます。生物がたくさんいた時代は、化石を使えば細かく分けることができます。しかし、数値で決めるためには、放射性元素で決めていきます。両者をうまく組み合わせて使えば、よりよく年代を時代区分をすることができます。
 時代の境界ができるということは、多くの生物が絶滅し、地球全体に異変があったことを意味します。ですから、時代区分が大きなものほど、その異変は、大変なものであったといえます。
 いくつもの階層に分かれて時代区分がなされています。一番大きな区分として、古いものから順に、冥王代、太古代(始生代ともよばれます)、原生代、顕生代と4つに分けられてます。
 冥王代は地球の始まりで、まだよくわからない時代です。それをのぞけば、太古代、原生代、顕生代は、それぞれ、細分されています。なじみのある時代である顕生代は、古生代、中生代、新生代と分けられています。顕生代は生物がたくさん顕れた時代ですから、細かく区分されています。古生代はカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀の6つに、中生代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の3つに、新生代は、第三紀と第四紀の2つに分けられています。もっと、もっと細かく分けられていますが、ここまでとしましょう。
 ところで、問題があります。時代を決めるための素材は、地層です。すべての時代の境界がある地層が、連続的にひとつの地域にあればいいのですが、そうはいきません。ある時代の境界はある地域のある地層に見つかり、次の時代の時代境界は別の場所のある地層に見つかります。つまり、時代の境界が、世界中にばらばらになってあるのです。
 また、同じ時代の境界の地層も、いくつかの地域にあります。すべてが一致した数値で年代が決まればいいのですが、すべての時代境界で位置しているわけではありません。
 なにしろ時代の記録が地層に残されています。地層は、大洪水や海底地すべりによって海に溜まったものが大部分です。ですから、場所が違えば、土砂がきた環境も、土砂が溜まったの環境も、そしてその土砂に埋もれた生物たちも違ったものとなり、それが地層となります。
 そこは熱帯の海だったり、温帯の海だったり、極地の海かもしれません。化石となった生物はまったく違っているかもしれません。でも、地球規模の異変ですから、多くの生物が絶滅しているはずです。どれか共通する化石を手がかりに、異変の共通性を見つけて、比べていきます。
 ひとつの時代の境界を決めるためには、世界中の同時代の地層境界をいくつも調べなければなりません。そして、ここだと思われるところを、その時代の典型的なところとされます。気の遠くなるような調査や研究がされているのです。
 以前はある場所で決められた時代境界でも、よりよい場所があれば、そこを典型的なところと変更されます。ですから現在でも、時代の境界については検討されています。国際的な地層の時代区分は、1989年にされたものを改変して、2004年に発表されたばかりです。その発表されたものをみても、まだ時代区分で、正確に決まっていないところがいくつか残されています。
 カンブリア紀のはじまりも、変更がありました。カンブリア紀のはじまりとは、原生代と顕生代の境界といういちばん大きな区切りです。現在の定義では、カナダの東部のニューファンドランド島のチャペル・アイランド層メンバー2という地層の底から2.4mが、その境界の典型的な場所とされています。しかし、以前は、カンブリア紀のはじまりはある化石が見つかるいちばん古いところで、炭素の成分にある異変があるところとされていました。以前決められた境界の年代は5億7000万年前でしたが、現在では、5億4200万年前と変更になりました。
 研究は、休みなく続けられているのです。

・地質時代シリーズ・
今回まで、地球の時代の決め方を見てきました。
これから、シリーズで各時代の特徴を見ていこうと思います。
あまり詳しくもできないので、
大きな区分で見ていきます。
できるだけ新しいものを月に1時代ずつ、
紹介していこうと考えています。
お楽しみに。

・山の渓流・
先日、家族で山に出かけました。
私は、石や砂を集めることも目的のひとつではあったのですが、
一番の目的は、いい河原を探すことでした。
私は、なかなかいい河原がみつからなくて、
欲求不満になっていました。
そんな河原を何とか見つけたくて、少し遠出をしました。
なかなか見つからず、
地元の人と山の中で出会って教えていただいたところに
いい川といい河原がありました。
前日降った雨で下流の川は濁っていたのですが、
上流の川は澄んで、河原の石ころもきれいに見えました。
暑い日だったので子供たちはパンツになって、水遊びをしていました。
冷たすぎて水にもぐれなかったようですが。
でも、いい一日を過ごしました。
こんな川なら何度も来たいと思いました。