2004年8月26日木曜日

5_37 誤差

 前回、時代を決める方法として絶対年代というものを紹介しました。では、その絶対年代は、どのようにして精度が決まっていくのかを紹介しましょう。

 絶対年代を示すときは、誤差も同時に示すようにされています。例えば、1億5000万±2500万年前というように、±(プラスマイナス)をつけて、その確かさが示されます。測られた年代ごとに誤差が示されています。この誤差の数値の範囲に測定値は動きうるということです。測定値は、それだけの年代の幅を持っているということです。年代の数字だけが一人歩きすることがよくあるのですが、注意が必要です。
 実は、その誤差の中にはさまざまな内容が含まれています。
 誤差にも、いろいろな意味があります。同じ試料を同じ条件で繰り返し測って得た値がどの程度ばらつくのか(精密さ、precisionといいます)、同じ試料を別の条件で測ったときにどの程度ばらつくのか(再現性、reproducibility)、得た値が真の値からどの程度かたよっているのか(確度、accuracy)などあります。
 分析をする研究者、あるいは研究室では、これらの精度を示した後、年代測定の値を示すことになっています。ですから、年代測定で公表されている値の誤差とは、すべての誤差の中身がたどれるようになっています。年代測定の誤差とは、上で述べた誤差の総合的なものだといえます。
 その誤差の程度は、研究室の環境や設備、そこの使われている分析装置の性能、測る研究者の腕などによって違います。でも、それ以前に、放射性元素の種類や測る試料の様子などが、年代測定の結果に影響を与えます。
 放射性元素の種類は、古い時代のものを測るときは、ゆっくりの壊れる放射性元素を使います。でも、同じ放射性元素でも、古い試料ほど、その誤差の数値も大きくなります。逆に新しいものは、誤差の数値が小さくなります。
 まあ考えれば当たり前のことです。ある研究室では年代測定に1%の誤差があるとしましょう。例えば、30億年前の事件を1%の誤差で測れたとすると、
30億(3,000,000,000)×0.01=3000万年
という誤差なります。ところが、数万年前の事件なら1%の誤差なら、
30,000×0.01=300年
となります。同じ1%という誤差でも、得られた年代によってその誤差となる年数は違ってきます。
 実際には、年代測定で、0.01とか0.001、つまり1%や0.1%の誤差があれば、多くの場合は実用性があります。遺跡などの調査で5000年前のもの年代測定で50年くらいの精度なら充分実用的だと考えられます。
 元素の種類としては、古い時代の試料には壊れるスピードの遅いものが、新しい試料には壊れるスピードの速いものが使われます。遅いもから順番に、ルビジウム-ストロンチウム、トリウム-鉛、ウラン-鉛、カリウム-アルゴン、炭素-窒素(いわゆる14Cいうもの)などとなります。ここで前に書いた元素は、放射能を出して壊れる元素(親核種といいます)、後に書いた元素は壊れてできる元素(娘核種)です。
 これらを精度よく測りたい場合は、測る試料がある条件を満たさなければなりません。それらの条件がどの程度厳密に守られているかが、やはり誤差を大きく左右します。
 まず、測りたい元素が、目的の岩石にたくさん入っていることです。少ないと測定の精度が悪くなってきます。さらに測りたい事件のあった後、その岩石に、測りたい元素が出入りのない環境に置かれていたことも重要な条件となります。たとえば、岩石ができた年代が知りたければ、岩石ができた後に、変成作用を受けたり、地表で風化を受けたものは、正確な年代が測定できなくなります。
 そして、上で述べたような元素を精度よく測る技術、つまり誤差を小さくする技術も必要です。その技術には、試料を取り扱う研究者の腕や、実験室の環境もあります。研究者の腕が悪かったり乱暴だったりすると誤差も大きくなります。また、実験室が汚いと、測りたい試料以外のところから、余分な成分が混入すること(汚染といいます)があります。
 隕石や月の岩石、岩石の中の一粒の鉱物などは、非常に少量しか分析に利用できません。このような少ない試料を測るときは、誤差をいかに小さくするかが問題となります。それこそ研究者の腕の見せ所です。
 絶対年代として、年代値だけが問題になるのではなく、測定値にどの程度の幅があるかということも重要です。特に誰も調べたことのない時代の地層や岩石では、誤差に注意する必要があります。そして、その誤差を頭に入れて年代の数値を考える必要があります。そして、示された誤差には、研究者の熱い思いが込められているのです。

・ある質問から・
このエッセイは、Namさんから受けた質問に答えています。
最初、メールで返事を書き出したのですが、
長くなったので、エッセイにしました。
まだ、質問には完全に答えていません。
「どの程度の誤差が出るのでしょうか」という
質問に答えたものです。
半分だけ答えたものです。
後半分の
「どこにでもある石や砂でも
その年代を正確に測定できるのでしょうか。
もし放射性元素が見つからない場合は、
この測定方法は役に立たないのでしょうか。」
という質問には次回に答えることにしましょう。

・秋に焦りは禁物・
北海道はすっかり涼しくなってきました。
あちこちに秋の気配が漂ってきています。
コスモスがいたるところで咲いています。
まあ、コスモスは夏の間中、咲いていましたが。
でも、ススキの穂がではじめました。
ナナカマドの葉や実も色づきだしました。
赤とんぼが里にも舞い始めました。
季節としてはいい時期なのですが、
私にとっては、外ですべき野外調査が
あまりはかどっていないので、少々焦り気味です。
でも、焦りは禁物です。
一人でこつこつと進めていくことです。
あせらず、でも怠ることなく、
急がず、でも休まず、
あれもこれもではなく、やりたいことだけを、
計画も大切だが、修正も大切。
今と未来と、自分の体調、体力、能力などを考えながら
進んでいきましょう。

2004年8月19日木曜日

1_31 時代の境界(2004年8月19日)

 前回まで、時代の区分の仕方や考え方を見てきました。今回は、実際に、どのように時代区分されていくか見ていきましょう。

 地球の時代区分は、化石と放射能を出す元素(放射性元素)を利用して、おこなわれます。生物がたくさんいた時代は、化石を使えば細かく分けることができます。しかし、数値で決めるためには、放射性元素で決めていきます。両者をうまく組み合わせて使えば、よりよく年代を時代区分をすることができます。
 時代の境界ができるということは、多くの生物が絶滅し、地球全体に異変があったことを意味します。ですから、時代区分が大きなものほど、その異変は、大変なものであったといえます。
 いくつもの階層に分かれて時代区分がなされています。一番大きな区分として、古いものから順に、冥王代、太古代(始生代ともよばれます)、原生代、顕生代と4つに分けられてます。
 冥王代は地球の始まりで、まだよくわからない時代です。それをのぞけば、太古代、原生代、顕生代は、それぞれ、細分されています。なじみのある時代である顕生代は、古生代、中生代、新生代と分けられています。顕生代は生物がたくさん顕れた時代ですから、細かく区分されています。古生代はカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀の6つに、中生代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の3つに、新生代は、第三紀と第四紀の2つに分けられています。もっと、もっと細かく分けられていますが、ここまでとしましょう。
 ところで、問題があります。時代を決めるための素材は、地層です。すべての時代の境界がある地層が、連続的にひとつの地域にあればいいのですが、そうはいきません。ある時代の境界はある地域のある地層に見つかり、次の時代の時代境界は別の場所のある地層に見つかります。つまり、時代の境界が、世界中にばらばらになってあるのです。
 また、同じ時代の境界の地層も、いくつかの地域にあります。すべてが一致した数値で年代が決まればいいのですが、すべての時代境界で位置しているわけではありません。
 なにしろ時代の記録が地層に残されています。地層は、大洪水や海底地すべりによって海に溜まったものが大部分です。ですから、場所が違えば、土砂がきた環境も、土砂が溜まったの環境も、そしてその土砂に埋もれた生物たちも違ったものとなり、それが地層となります。
 そこは熱帯の海だったり、温帯の海だったり、極地の海かもしれません。化石となった生物はまったく違っているかもしれません。でも、地球規模の異変ですから、多くの生物が絶滅しているはずです。どれか共通する化石を手がかりに、異変の共通性を見つけて、比べていきます。
 ひとつの時代の境界を決めるためには、世界中の同時代の地層境界をいくつも調べなければなりません。そして、ここだと思われるところを、その時代の典型的なところとされます。気の遠くなるような調査や研究がされているのです。
 以前はある場所で決められた時代境界でも、よりよい場所があれば、そこを典型的なところと変更されます。ですから現在でも、時代の境界については検討されています。国際的な地層の時代区分は、1989年にされたものを改変して、2004年に発表されたばかりです。その発表されたものをみても、まだ時代区分で、正確に決まっていないところがいくつか残されています。
 カンブリア紀のはじまりも、変更がありました。カンブリア紀のはじまりとは、原生代と顕生代の境界といういちばん大きな区切りです。現在の定義では、カナダの東部のニューファンドランド島のチャペル・アイランド層メンバー2という地層の底から2.4mが、その境界の典型的な場所とされています。しかし、以前は、カンブリア紀のはじまりはある化石が見つかるいちばん古いところで、炭素の成分にある異変があるところとされていました。以前決められた境界の年代は5億7000万年前でしたが、現在では、5億4200万年前と変更になりました。
 研究は、休みなく続けられているのです。

・地質時代シリーズ・
今回まで、地球の時代の決め方を見てきました。
これから、シリーズで各時代の特徴を見ていこうと思います。
あまり詳しくもできないので、
大きな区分で見ていきます。
できるだけ新しいものを月に1時代ずつ、
紹介していこうと考えています。
お楽しみに。

・山の渓流・
先日、家族で山に出かけました。
私は、石や砂を集めることも目的のひとつではあったのですが、
一番の目的は、いい河原を探すことでした。
私は、なかなかいい河原がみつからなくて、
欲求不満になっていました。
そんな河原を何とか見つけたくて、少し遠出をしました。
なかなか見つからず、
地元の人と山の中で出会って教えていただいたところに
いい川といい河原がありました。
前日降った雨で下流の川は濁っていたのですが、
上流の川は澄んで、河原の石ころもきれいに見えました。
暑い日だったので子供たちはパンツになって、水遊びをしていました。
冷たすぎて水にもぐれなかったようですが。
でも、いい一日を過ごしました。
こんな川なら何度も来たいと思いました。

2004年8月12日木曜日

1_30 時代区分:絶対年代(2004年8月12日)

 前回は、地球の年代を区分するときに、生物の絶滅を利用するという方法を紹介しました。今回は、別の区分の方法を紹介しましょう。

 地球の時代区分で生物の絶滅を利用するには、生物がたくさんいる時代でなければなりません。地球の歴史で生物の化石がたくさん出はじめる時代は顕生代(けんせいだい)と呼ばれる時代です。漢字で、生物が顕(あらわ)れるという、そのままの意味になっています。
 顕生代は古生代のカンブリア紀から現在までの時代のことです。カンブリア紀は、5億4200万年前から始まります。ところが地球の歴史は約45億年前からはじまります。ですから、顕生代が地球の歴史で占める割合は、12%に過ぎません。また、化石で最古の記録は、約35億年前のものです。生物の歴史から見ても15%に過ぎません。
 地球の歴史を区分することに、生物の絶滅による相対年代に頼っていては、たくさんある古い時代の歴史を区分することができません。他の方法を用いなければなりなりません。そこで用いられるのは、絶対年代と呼ばれるものです。
 放射性元素とよばれる化学成分を分析して年代測定をする方法です。放射性元素は、正確には元素ではなく、元素の中でも重さ(質量数が違うといいます)成分のことで、同位体あるいは核種と呼ばれます。でも、ここでは元素と呼んでおきましょう。
 この年代測定の原理は、放射能を持っている元素が、壊れて別の元素に変わっていく作用を利用するものです。放射性元素は、ある一定のスピードで壊れます。また、そのスピードは、地球のどこの条件でも変わることはありません。ですから、放射性元素は、正確に時間と共に壊れていく時計として利用できます。
 もともとあった元素(正確には親核種といいます)から、壊れてできた元素(娘核種)ができます。もともとあった元素と壊れてできた元素の数が正確に測定できれば、経過した時間が調べられます。このような放射性元素を利用した年代決定を、絶対年代測定といいます。
 放射性元素を用いる年代測定には、もともとあった元素と壊れてできた元素の比をもちいる方法と、宇宙線によりできた元素を利用する方法の2つがあります。どちらも試料や目的に応じて使い分けられます。
 このような放射性元素を用いる絶対年代の利点として、適切な試料と適切な分析の技術(分離装置と分析装置)があれば、年代を正確に決められるという「精度」をもっています。また、誰でも技術さえあれば、いつの時代の試料に対しても利用可能であるという「汎用性」があります。さらに、試料の種類は問わず、目的とする元素が分析できるほど充分あるかどうかだけが問題となり、どこの場所でもみつかる岩石に適用できるという「敷衍性、広範さ」があります。
 一方、絶対年代の欠点として、時代は、測定するまで分からないという「可視性」がないということがあげられます。また、大きな分析装置や複雑な化学分析の手続きが必要で、大掛かりであり、「簡便」ではないという欠点もあります。
 現在、地球の時代を区分するための地質年代の数値は、絶対年代が採用されています。しかし、時代区分は、もともと化石によって細分されてきたので、その時代や時代境界を正確に決めることに絶対年代が採用されています。また、化石がたくさん出る時代では、化石のほうが精度がいいことがあります。このようなことから、現在では、絶対年代と相対年代の両者の利点をうまく利用していくことで、地球の年代を区分しています。

・夏休み・
さて、そろそろお盆シーズンに突入します。
皆さんは、田舎に帰るのでしょうか。
私たちは、お盆は自宅でのんびり過ごすつもりです。
子供たちは学校のプール開放に行き、
自宅でいつものように過ごそうと考えています。
私は、暑ければ、午前中は研究室で仕事をして、
午後は自宅でぼちぼちと仕事したり、
子供と遊んだりしているでしょう。
北海道は8月20日から学校が始まります。
7月も23日までありましたから、北海道の夏休み一月もないのです。
北海道では一番いい季節を、勉学に励むことになります。
そのかわり冬休みが1月ほどあり、長くなります。
どちらがいいでしょうか。
やはり子供たちにとっては、
長い夏休みがいいのでしょうかね。
我が家は夏休みが終わって、9月に入ったら
あちこち出かけるつもりをしています。

・海へ・
先日、海に行ってきました。
私は、海より山の方が好きなのですが、
長男の夏休みの希望が海に行くことでした。
長男の希望を満たすために、平日の朝に海に出かけました。
ニュースによると今年の北海道は暑いので
どの海水浴場もいっぱいのようです。
いっぱいといっても本州の江ノ島や湘南の海のように
芋を洗うような混雑はありません。
しかし、せっかく北海道の海に行くなら、
自然のままの海で遊ばせてあげたいと思い、
海水浴場になっていない海に行くことにしました。
そこは以前、資料を採集するために出かけたところです。
あまり人がいないことがわかっているところでした。
でも、もちろん人がいましたが、
3組ほどの人が、釣りをしているだけでした。
しかし、最近つくづく思うのですが、
自然のままの海も、川も、今や北海道でも貴重になってきました。
もちろん都市から離れたところへ行けばまだまだあるのでしょうが、
私の住む町の近くには散々探しているのですが、
いいところが見つかりません。
もしかすると私の希望は多くの人が望むものと違っているのかもしれません。
人手のできる限りはいっていない河原や海岸です。
野生の自然があるところは、管理上の問題でしょうか、
多くのところでは、一般の人が入れなくされています。
また、そんなことになったのも、
マナーの悪い人がたくさん入り込んでいるせいもあるのでしょう。
確かに、ごみや焚き火の跡が残されていたりして、
興ざめしてしまうるところもよく見かけます。
でも、私は、自然の川や自然の海が残っているところを
飽きることなく探していきたいと思っています。
少なくとも自分の子供たちは
野生の自然に触れさせてあげたいなと思っています。
これは、もしかすると、子供をだしにした親のわがままかもしれません。
でも、北海道においてすら自然が残されていないことを考えると、
本州での悲惨さを思って余りあります。

2004年8月5日木曜日

1_29 時代区分:相対年代(2004年8月5日)

 地球の歴史の概略をシリーズで紹介しましょう。まず、時代区分の方法を考えていきましょう。

 地球の歴史を考えるとき、時代を区分して考えていきます。例えば、ジュラ紀や白亜紀がそのような時代区分の例です。時代を区分するということは、時間を区分するということになります。
 ところが物理学で定義されている時間は連続的なものですから、なんらかの目印によって連続な時間を区分しているはずです。
 その目印は、誰もが納得できて、どの時代でも、どの地域でも、通用するようなものがいいはずです。では、時代区分をするときに、どのような目印を使えばいいのでしょうか。
 どの時代でもどの地域でも通用する目印として、一番重要な条件は、現在までその目印が残っていなければなりません。これは、不可欠の条件です。そのほかにも満たすべき条件があります。
 時間を区切る目印の条件としては、だれにでも見えるもの(可視性)、いつの時代にでも使えるもの(汎用性)、どこの場所でもみつかるもの(敷衍(ふえん)性や広範さ)、手軽なもの(簡便性)、正確にきまるもの(精度のよいもの)、などが考えられます。
 このような目印の条件を満たすものは、今のところありません。そこで、妥協策として、化石などが利用されています。
 化石などを用いて、地層の後(あと)先(さき)の関係を決めて、それをもって地層などの順番を決めていくものです。何年前という数値は決められませんが、どちらが先か、どちらが後かを決めることができます。
 化石を用いた時代の目印は、大量絶滅によってそのランクを決めることができます。絶滅の程度が大きければ、その目印はより大きなランクの時代区分となり、絶滅の程度が小さければ、時代の区分のランクも小さなものとなります。
 絶滅の程度が大きいということは、地球の環境に大規模な変化が起こったことみなせます。ただし、このような時代区分は、人為的な判断に基づくものであることを忘れてはいけません。
 化石は、大きく肉眼で見えるものを使えば、経験さえつめば、野外調査の場で、どんな時代かを決めることができます。つまり、その化石の出る時代があらかじめ知っていれば、その地層のできた時代が限定できます。このように化石によって決めた年代を、相対年代といいます。
 相対年代の利点は、上で述べたように、化石、特に大型のものは誰にでも見えるという可視性があります。そして、化石の識別(同定)ができれば、時代がすぐに決定できます。特別な道具はいらず、野外ですぐに時代が決まるという。簡便性があります。化石がたくさん出る場所や時代では、非常に精度よく決めることができます。
 相対年代の欠点は、化石に残るような生物のいない時代には使えないことです。つまり、主に5億7000万年前以降の顕生代(けんせいだい)という時代にしか、利用できないのです。時代の範囲が狭く汎用性がないといえます。また、化石は堆積岩だけからしか出ません。地殻を構成する岩石のうち、地層をつくる堆積岩は、非常に少ないものです。ですから、敷衍性や広範さがないといえます。上で化石がたくさん出る場所や時代では、非常に精度がいいといいましたが、逆に化石の少ないところや化石の時代範囲が不明瞭の場合は、正確に時代を決めることができません。つまり、精度が悪いという面もあります。
 このような欠点を補うために、絶対年代というものが利用されています。それは次回としましょう。

・キャンプ・
北海道は、まだ暑い日々が続いています。
涼しいつもりで北海道に来ている観光客はがっくりしていることでしょう。
我が家は、先日キャンプをしました。
そのキャンプ場は車で30分ほどのところにありました。
私も久しぶりのキャンプでした。
家内や子供たちは初めてでした。
今日の午後も(8月4日)も近くのキャンプ場に出かけるつもりです。
自転車でいっても森の中を通り抜ければ、
15分ほどで着く森の中のキャンプ場です。
でも、荷物があるので、車で行くと遠回りになり、
車でも15分ほどかかります。
私は、人の多いキャンプ場は苦手です。
できれば、誰もいないキャンプ場が理想です。
季節外れでもない限り、そんなところはないでしょうが。
でも、キャンプすることは、
私にとって自然を身近に感じるためだと思っています。
人工の灯りも最小限しか持っていきません。
食事も買ってきたものを、皆で外で食べることにしています。
夜の自然を楽しむこともキャンプの楽しみの一つでしょう。
子供たちは、自然の中で遊べばいいのです。

・生き物たち・
キャンプをしていると
灯にはクワガタなどが集まりますから、
それを子供たちはとります。
虫取りや魚取りをすると、
虫かごやビンに生き物を入れておき、
獲った成果を眺めます。
そんな虫たちも、しばらくしたら、あるいは遅くとも翌朝には
逃がすことにしてます。
なぜなら、飼っていると、たいていは死んでしまうからです。
それなら、楽しんだ後は逃がしてやればいいと思っています。
子供たちは、虫や魚を獲ること、
そしてその獲ったものを集めて、眺めることで満足しています。
生き物を飼うことは責任があることだと思います。
そして死が自分の責任であることを理解すべきだと思います。
うまく飼えるようになったら、
持って帰ればいいと思っています。
小学生の長男は長期間に渡って世話をするということは
まだできないようです。
すでに、何匹も殺しています。
オバケイエビ、カブトエビなど
付録で付いていたもので試していますが、まだダメなようです。
あまりに小さいため、生き物の死を実感できないのかもしれません。
そんなことを親としては考えますが、
子供はいたってあっけらかんとしてます。
世代ギャップなのでしょうかね。