2001年7月5日木曜日

3_10 石をつくるもの:鉱物

 地球は何からできているのでしょうか。その答は、地球の定義をどこまでにするかによって少し違います。でも、一番多いのは、体積でも質量でも、地球の固い部分です。そして地球の固い部分は、石と鉄からできてます。そして、石も鉄も、固体部分は、結晶というものが集まってできています。今回は、石をつくるもの、結晶についてお話します。


 石の構成物とはなんでしょうか。つまり、石は何からできているかということです。石はすべて結晶からできいます。結晶にはさまざまなものがあります。天然の結晶は、鉱物と呼ばれます。石の種類によって、鉱物の種類や量が変化します。鉱物の種類や組み合わせの多様性が、石の多様性をもたらします。
 鉱物は、現在、4,000種類ぐらい発見されいます。鉱物は、天然に産するものでなければなりません。ですから、人工的に作られた結晶は、鉱物とはいえません。新しい鉱物は、国際的な鉱物の学会へ、決められたデータをそろえて提出して、初めて認定されます。
 現在も新しい鉱物は、発見されつづけています。しかし、最近ではもう大きな結晶はなかなか見つからなくなりました。それは地球のほとんどの地域の鉱物が調べられたからです。
 ところが、新しい分析装置が開発され、鉱物に使用されますと、新しい鉱物が一時期、たくさん報告されることがあります。それは、非常に小さくて、今まで調べることができなかった岩石から、その装置によって、新鉱物は見つけられるようになるからです。大きな結晶もまれにですが、見つかることもあります。それは、今まであまり調査されなかった、科学的に未開な地域に、探検的な調査がなされたときです。
 その他に大量に新鉱物が見つかるのは、宇宙に化学分析の手が伸びたときです。新しい種類の隕石が入手されたり、アポロ計画によって月から石が持ち帰られた時などに、多くの新鉱物が見つかりました。
 4,000種類の鉱物について、すべてを知ることは大変です。しかし、幸いなことに大部分の岩石は、9割以上は極ありふれた鉱物からできています。このようなありふれた鉱物を造岩(ぞうがん)鉱物とよびます。
 造岩鉱物の代表的なものは、カンラン石、輝石、角閃石、雲母、長石、石英などです。あとは少しの付随する鉱物となります。ですから、岩石学者も、鉱物の専門家でなければ、それほど大量の鉱物を見分けなくても、岩石の成因や起源について調べることができます。そう、私も鉱物をたくさん知らない岩石学者の一人です。