2001年5月17日木曜日

3_8 地球をつくるもの

 私たち住む地球は何からできているでしょうか。身近なはずの地球ですが、その全体像を知っている人は案外少ないかもしれません。地球の全体像を、他の惑星との共通点と相違点という見方をしていきましょう。


 惑星は、さまざななものからできいます。成分としては多様ですが、存在形態として区分すると、3つに分けることができます。物質の形態としては、気体、液体、そして固体となります。地球も他の惑星と同じように、3つの形態を持つ物質からできます。地球は、気体としての顔、液体としての顔、そして固体としての顔は、他の惑星と共通する点と違う点があります。
 惑星の構成物である気体は、大気と呼ばれています。地球型惑星で大気を持つ金星と火星の大気は、二酸化炭素を主成分としています。一方、木星型惑星の木星から海王星までの惑星の大気は、水素とヘリウムが主成分です。
 地球の大気は、8割は窒素、2割は酸素の混合気体です。その他に、小量の水蒸気(気体のH2O)や二酸化炭素やアルゴンなどが含まれます。地球の大気は酸素含んでいますが、他の惑星の大気には酸素がほとんど含まれていません。ですから、地球の大気は非常に特異であるといえます。地球の大気を空気と呼んで区別します。
 惑星のおける液体は、わかっているものでは水です。地球には38億年前から現在まで、消えることなく水が存在しました。成分は不明ですが火星にも水があったことがわかっています。もしかすると地球のようにかつては海があったと考えられています。しかし、現在は極地方や地下に氷として存在し、夏になると少し融けて流れる程度と考えられています。定かでありませんが、液体が存在する可能性としては、木星と土星の厚い大気の下には、水素とヘリウムの海があるのではないかと考えられています。
 水は、地球では海水と呼ばれ、海洋を構成しています。地球の表面の7割は海洋です。海水の主成分は、水、つまり液体のH2Oです。その他に小量ですが塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなど多数の成分が含まれています。さらに地球だけの特徴ですが、中心付近(外核)には液体の部分があることがわかっています。地球の外核は、液体の鉄からできています。
 地球型惑星は、固体の多くが、石と鉄です。木星型惑星は、水素とヘリウム、石、そして氷が、主要な固体成分です。この大量にある氷が、木星型惑星の一番の特徴といえます。大量の氷があるために、木星型惑星は重くなり、多くのガスを集めて、巨大なガス惑星となることができたのです。
 地球表層に住んでいる私たちには、気体が多く、ついで液体、そして固体が一番少ないという印象がします。しかし、それは錯覚です。液体も気体も地表にいると多く感じますが、地球全体では、石と鉄が多くなっています。地表はすべて、土(土壌)で覆われているので、土が多いように錯覚しがちです。しかし、少し掘れば、そこは石の世界です。地表付近でも、量としては圧倒的に石が多くなっています。体積で見ても、質量で見ても、地球では、石と鉄が圧倒的に多くなっています。
 地球の主要構成要素の石とはどんなものでしょうか。全地球的にはンラン岩と呼ばれるものが多くなっています。カンラン岩とはその主要な構成物であるカンラン石から由来しています。カンラン石は、薄い緑色をしたきれいな鉱物です。飾り石にも使われることがあります。カンラン石とは英語でオリビン(olivine)といいます。その由来は、オーリブの実に似た色だからです。
 地球はさまざまなものからできています。しかし、その多くのものは、日ごろの目にしません。それは、私たちが地球の表層に住んでいるために、身近に感じるものが限られているからです。しかし、知識は、そのような偏った私たちの考えを、より普遍的な方向へと修正してくれます。そう、知ることが一番大切なことです。